中国、16万社に及ぶ「メタバース」企業は軒並み赤字

2022/09/4 15:45

2022世界人工知能大会が行われている中国で9月3日、テンセント・クラウドの副総裁でテンセント優図実験室の総経理である呉運声氏は、「メタバースは様々な分野に及ぶ範囲の広いコンセプトであり、一つの専門グループに任せることはあり得ない」と述べた。優図実験室で手掛けている技術は3Dの作図、アバター、音声認証といったリアリティーインターネットに関するものである。テンセントはまた、これらの技術をSNSでも積み重ねており、「すべてを融合させて、新たな時代での技術的課題に対応していく」とのことである。

中国ではテンセントのほか、ゲーム大手の網易もメタバースでの取り組みを進めている。

中国のメタバースの現状と見通しを示した「中国メタバース投融資データ報告」によると、メタバースへの融資額は全体で54.6億元(約1110億円)、仮想人物の企業は16万社、メタバース産業を支援する省/市は20か所以上となっている。

デロイト(Deloitte)中国の経営副責任者でモデルチェンジを担当している劉明華氏によると、中国のメタバースの市場規模は2030年にGDPの20%となる40兆元(約812.8兆円)に達し、メタバースにおけるデジタル製品やウェアラブルの製品価値は1000億ドル(約14兆円)となるという。

ただし、中国経済新聞で先ごろ伝えたように、「メタバース」と銘打った企業の多くは赤字が深刻で、賃金未払いといったケースも発生している。

(中国経済新聞)