中国で8月24日、高齢者専門の求人サイトが開設された。高齢人材の情報サービス提供の皮切りとなるこのサイトを見ると、勤務地はいずれも北京で、老人ホームの院長、高齢者営業、医療ワーカー、看護師、コールセンターなど計81人分の求人が発表されており、給与は3000元(約6万円)から3万元(約60万円)となっている。
南開大学経済学院の教授で中国人口学会の副会長である原新氏によると、新中国が発足した1949年以降で多産の時期が3回発生しており、まず1950年-1958年で、このうち6年は出生者数が2000万人を超えた。次が1962年-1975年で、毎年2000万人以上が生まれ、中でも1963年は3000万人近くに達した。その次が1981年-1997年で、やはり每年2000万人以上の出生となった。
原氏は、「60年を一つのサイクルとすると、今年はちょうど二つ目の多産時期の1年目である1962年にあたる」と言い、これにより昨今話題となっている定年ラッシュが発生しているという。中国の定年はおおむね、男性の幹部職員は60歳、女性の幹部職員は55歳、女性の一般職員は50歳となっており、60歳イコール定年というわけはない。つまり、1962年前後に生まれた女性の多くは5年前あるいはそれ以前にリタイヤしているわけである。
中国政府のデータによると、2021年の60歳以上の人口は全人口の18.9%となる2.67億人である。また中国人口・発展研究センターの最新の予測では、60歳以上の人数は2025年には3.21億人となり、2032年には4億人を超える見込みである。さらに65歳以上は2025年に2.21億人、2033年には3億人を突破する。また60-64歳は2020年に0.68億人、2026年には1億人を超え、2035年には1.06億人となる。中国はつまり、軽度の高齢化から中度の高齢化へと進んでいくことになる。
(中国経済新聞)