中国のブランド品通販「セコー」、上場からわずか5年で経営破綻

2022/08/18 09:30

中国のブランド品通販サイト「北京寺庫商貿」(セコー)が8月10日、今年2度目となる経営破綻の審査を受けることになった。これについてセコーは、現段階で公式の見解を示していない。

セコーは、2021年11月23日に子会社である上海セコー電子商務が資産1.2億元(約23.7億円)を凍結されたと発表され、さらに今年1月には経営破綻したとの情報も流れた。ただしセコーはこの情報をただちに否定している。

また8月3日には、イタリアの有名ブランドPradaが、セコー上海の名義による資産1100万元あまり(約2.18億円)および財産相当分の凍結を求めたとの仲裁文書が公開された。上海の嘉定区人民裁判所は審議の結果、セコーの資産を1年間凍結するとの判断を下している。

セコーの2021年の決算を見ると、売上高は前年の60.2億元を48%も下回る31.32億元(約619億円)で、赤字額は同じく6倍の5.66億元(約112億円)に達し、現時点での時価は1774万ドル(約23.8億円)となっている。2017年9月22日に「ブランド品通販の最大手」との看板を掲げてアメリカで上場を果たし、時価は最盛期に7.7億ドル(約1033億円)に達したが、それから5年間で98%も落ち込み、今は見る影もない状態となっている。

コンサルティングなどを手掛ける時尚透明度創新中心の創業者である楊大筠氏は、「セコーは専門店よりも値段がずっと安く、自社で利益分を補う状態が続いていたので、キャッシュフローや在庫管理費用に耐えられなくなった」と分析している。またアプリの開設でブランド品の国内代理店やそれ以外での取り扱い品が販売され始めたことで類似品も混じるようになり、競争力が徐々に衰えていった模様である。

(中国経済新聞)