EVメーカー、車載電池の値上がりに悲鳴

2022/07/22 21:00

広汽グループの社長である曽慶洪氏は7月21日、2022世界車載電池大会で、「新エネ車は車載電池のコストが40%-50%、あるいは60%にもなっており、われわれはまるで(車載電池大手の)CATLのために働いているようなもの」と述べた。

曽氏によると、炭酸リチウムが今年一時期51.5万元/トンに達し、1年余りで10倍以上になるなど、原材料費が値上がりの一途をたどり、この影響がもろに工場に伝わって新エネ車も値上がりしているという。

曽氏はまた、新エネ車の急成長により車載電池が一段と重要になっているとも述べた。今年上半期、中国の自動車販売台数は1,205.7万台で前年同期を6.6%下回ったが、このうち新エネ車は21.6%となる260万台で、115%の伸びを記録し、今年1年間では600万台以上となる模様である。旺盛な需要を受けて車載電池の搭載車は好調を維持し、上半期の台数は前年同期を109.8%上回った。

新エネ車の各メーカーは現在、テスラおよび自社で電池を賄っているBYDを除き、ほぼすべて赤字である。CATLなどが炭酸リチウムなど原材料の値上がりを受け、各メーカーに高値を突き付けている。

ある新エネ車メーカーによると、CATLの電池は数か月間で二度も値上がりしており、1台当たりの電池コストで計算すれば、二度とも1万元分の値上がりに相当するという。

曽氏によると、広汽グループは電池の自社開発に向けてこれまでに300億元(約6095億円)以上をつぎ込んでいるという。CATLのために働いているような現状を変えたいとの願いである。

(中国経済新聞)