中国で自動車が「FMCG」化に

2026/06/23 11:00

中国の自動車界は近年、驚くべき変化が進んでいる。モデルチェンジの速さがスマートフォンに匹敵するほどになり、「自動車がFMCG(ファストムービング消費財)化している」との声が盛んに聞かれる。情報工業化省が発表する新車リストについて、2026年5月は発売間近の乗用車が52車種だったが6月は約65車種であった。1~5月で計71車種が発売され、これまでにない新車ラッシュに沸いている。

 中国自動車流通協会専門家会の李顔偉氏によると、2023年以降にデビューし調査期間が10か月以上、累計販売台数が1万台以上の新エネルギー車は169車種に上り、このうち40・8%が「発売後すぐにピークを迎え、その後急落する」パターンだった。発売間隔の短さや技術スペックの急速な追随、利用者の注意力サイクルの短さが、「独占ウィンドウ」を極端に狭めている。

 この背景として、新エネルギー車時代特有の競争環境が挙げられる。乗用車連合会秘書長の崔東樹氏は、「新規発売の新エネ車はほぼ全量が国内ブランドであり、外資系各社がPHEV(プラグインハイブリッド)やEREV(レンジエクステンダー)に注力する中、各社は『多産多競争』の局面に突入した」と指摘する。マッキンゼーのレポートでは、燃料車時代に約60か月だった国内の新車開発間隔が約24か月に大きく短縮しという。中には18か月という超短納期のプロジェクトも存在する。

 新エネ車メーカーを初め多数のメーカーが、「年に少なくとも1車種の新型車(新型車、年間モデルチェンジ、マイナーチェンジ)を導入する」との認識に至っている。新鮮さを維持し購入意欲を刺激する狙いだ。マッキンゼー中国圏で自動車コンサルを担当する管鳴宇氏は、「消費者はもはやトレンドの受け手ではなく、創造者となった。買い替えの期間や価格、電動化・スマート化への期待を自ら形成している」と分析する。

 この現象は、自動車の「FMCG」化をもたらしている。まずは開発のスピード化であり、ソフトウェアとハードウェアのデカップリングにより、分散型電子制御ユニット数百個という従来の形から集中型電子機器アーキテクチャへ移行した。ソフトウェアのクロスモデル再利用やOTAアップデートが容易になった。バッテリーパック、電動ドライブアセンブリ、熱管理モジュールなどの主要部位も複数モデルで共用が可能だ。

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