江蘇省南通市に位置する大型造船企業のドックでは、複数の大型プロジェクトが同時進行で活発に進められている。巨大なクレーンが鋼板を吊り上げ、分段(ブロック)工事が次々と進行する光景は、中国造船業の現在の繁栄を象徴している。地元企業の衛軍副社長は、「船舶建造の受注は2030年まで完全に埋まっており、船種も従来のばら積み船から、超大型原油タンカー(VLCC)や2万2000TEU級の大型コンテナ船へと大きくシフトした」と語る。この言葉は、中国造船業が世界市場をリードする地位を確固たるものにしている現実を物語っている。
2026年現在、中国造船業は世界の新造船受注量で約7割のシェアを握り、完成量や手持ち受注量でも15年連続で世界首位を維持している。第1四半期のデータを見ても、新造船受注量は前年比195%増、手持ち受注量は43・6%増と、三大指標すべてが大幅上昇を記録した。この背景には、グローバルな貿易拡大に加え、地政学的リスクによるタンカー需要の急増や、環境規制に対応した大型・高効率船への需要シフトがある。中国企業は価格競争力と短納期を武器に、韓国や日本を大きく引き離している。
