中国で履歴書の添削者、月収60万円の繁盛ぶり 

2022/07/5 08:00

30代前半の阿樹氏が、ようやく履歴書の添削を終え、顔を上げるともう夜の11時だった。卒業シーズンを迎え、履歴書の添削を担当する彼は、この2カ月間、夜遅くまで多忙を極めた。

履歴書の添削者とは、求職者の履歴書を求職者のニーズに合わせてパッケージ化し、履歴書通過率を向上させる人のことだ。「履歴書添削業務だけで、この2ヶ月間の月収は3万元前後(約60万円)だ」と7月1日、入社2年目の履歴書添削者、李強氏は語った。

一方、小雨氏は入社して4年目。「4年前、この仕事は今ほどホットではなかった。求人倍率の上昇により、履歴書添削者が人気の職業になったのは、ここ2年ほどのことだ」 と述べた。 

2022年は、00後(2000年代生まれ)の卒業生が初めて社会に出る年で「最も混雑する卒業シーズン」とも言われる。 中国教育部の統計によると、2022年の大卒者数は初めて1000万人を超え、2021年比167万人増の1076万人と予想され、規模、増加数ともに過去最高を記録する見込みだ。

00後の求職者の戸惑いは、そのまま履歴書の添削者側にも伝わってくる。「00後にとって職場環境の改善状況はインターネットに限定されているようで、実際には、適切な仕事を見つけることが彼らにとってより重要だ」と李氏は言う。

多くの00後にとって、インターネット企業が依然として第一候補であることは注目に値する。「最も人気があるのは、比較的敷居が低く、業界に入りやすい大手新メディアの運営管理職だ」と李氏は言った。

履歴書の添削者の仕事は、最初から全てを作ると言うことではなく、より見栄えをよくすることのようで、履歴書添削の核心は、履歴書の情報の豊かさ、読みやすさ、適合性を向上させることにある。元々わずかな言葉で書かれた実務経験を、データ、成果、仕事内容などの視点で提示し、人事が最も納得する言葉で表現する。これらの情報処理は、求職者と求人案件のマッチングを反映させることを最終目的としている。

(中国経済新聞)