メイトゥアン、第1四半期の赤字大幅縮小 AI投資と即時配送事業を加速

2026/06/2 08:30

中国の生活サービス大手 メイトゥアン(美団、03690.HK)は6月1日、2026年第1四半期(1~3月)決算を発表した。売上高は910億元(約1兆8200億円)と前年同期比5.6%増加した一方、営業損失は前四半期の161億元(約3220億円)から65億元(約1300億円)へと大幅に縮小した。

四半期ベースの赤字削減額は96億元(約1920億円)に達した。主力の地域密着型サービス事業の営業損失は100億元(約2000億円)から20億元(約400億円)へ縮小し、新規事業部門の損失も46億元(約920億円)から21億元(約420億円)へ改善した。

研究開発投資は引き続き拡大している。第1四半期の研究開発費は70億元(約1400億円)と前年同期比22%増加し、売上高の7.7%を占めた。

同社の創業者兼CEOである Wang Xing 氏は、「AIへの投資を継続的に拡大し、AIエージェントや大規模言語モデルの能力向上を進めることで、利用者の体験向上につなげたい」とコメントした。

AI分野では、消費者向けと加盟店向けの両面で展開を進めている。今年4月には、新世代大規模モデル「LongCat-2.0-Preview」を発表した。総パラメーター数は1兆を超え、同モデルを基盤としてAIアシスタント「小団(シャオトゥアン)」を刷新した。

ゴールデンウイーク期間中、「小団」の利用者数は累計1億人を超え、レジャー、移動、医療相談など幅広い生活シーンで活用されたという。

加盟店向けでは、「すべての店舗にAIアシスタントを」という方針を掲げる。飲食店向けの「スマート店長」機能は累計70万店舗以上で導入され、小売業向けの「デジタル従業員」ツールも30万店舗超で利用されている。

物流分野では、無人機(ドローン)配送事業が今年5月から本格的な常態運営段階に入った。現在は北京市、上海市、深圳市、香港、さらに Dubai などでサービスを展開し、累計配送件数は90万件を超えている。

主力のフードデリバリー事業では、「ブランド衛星店」や共同購入型サービス「拼好飯」など新たな供給モデルを推進。即時配送サービス「閃購(Shangou)」では利用頻度がさらに上昇し、2000年代生まれの若年層が新たな利用者増加の中心となっている。

新規事業部門の売上高は270億元(約5400億円)と前年同期比21%増加し、営業損失も21億元(約420億円)まで縮小した。

業績改善の背景には、事業ポートフォリオの見直しがある。美団は2025年12月、共同購入サービス「美団優選」の事業を終了し、経営資源を成長分野へ集中させた。

一方で、生鮮食品スーパー事業「小象超市」は積極的な拡大を続けている。現在55都市に進出し、2000カ所を超える前置倉庫(ダークストア)を運営。このうち約60%がすでに黒字化しているという。

さらに今年2月には、生鮮宅配大手の 叮咚买菜(Dingdong Maicai )の中国事業を約7億1700万米ドル(約1030億円)で買収すると発表し、生鮮即時小売分野のサプライチェーン強化を進めている。

海外事業では、フードデリバリーサービス「Keeta」が香港およびサウジアラビア市場で収益性を改善したほか、中東のその他地域やブラジル市場でも成長を続けている。

AI投資の拡大、即時配送網の強化、事業再編による効率化を背景に、美団は収益改善と成長戦略の両立を進めている。今後はAIを活用したサービス高度化と海外市場開拓が成長の鍵を握りそうだ。

(中国経済新聞)