河南省、「健康コード」を悪用し個人の自由を奪う

2022/06/14 14:57

中国で、コロナ対策としてスマートフォンに表示される「健康コード」が、一部の地域で社会を監視する手段に利用されている。

6月14日の第一財経済日報によると、河南省に着いたばかりの王雲剛さんは、48時間以内のPCR検査の結果が陰性であったにもかかわらず、「健康コード」が赤色になり、直ちに隔離する羽目になった。

また、河北省石家荘に住む鄧さんやその仲間たちも、同じような経験したという。

こうした人たちはみな、河南省のある村の銀行の預金者であり、いずれも銀行と交渉するために6月13日に各地から省都である鄭州に行く予定であった。

河南省の地方の村で、銀行預金を引き出せないといった事態が相次いでいる中、このようなケースが様々な形で伝えられている。

鄧さんは河南省に行けず、14日間にわたり石家荘の自宅で待機している。家族の「健康コード」はみな「異常なし」を示す緑色であるにもかかわらず、鄧さんだけが赤色になっている。

コロナ対策として、実データを元に中国政府が設定した二次元コードである「健康コード」は、感染リスクの程度に応じて緑色、黄色、赤色に分類され、感染者もしくは濃厚接触者は赤色となる。

赤になると、飛行機や列車、バスに乗れず、スーパーマーケットやレストラン、職場にも入れずに、自宅以外に居場所がなくなる。

河南省の各地の村で、銀行が預金を払えず経営困難に陥り、預金者から不安の声が上がっている。健康コードを悪用し、預金者の申し立てを阻止するために行動の自由を奪おうという河南省政府の意図が明るみになっている。

(中国経済新聞)