2月17日は中国の春節にあたる。これを前に、中国中央テレビ(CCTV)は、「2026年春節ガラ(春節聯歓晩会)」の公式マスコットを発表した。今回登場したのは、「騏騏(チーチー)」「驥驥(ジージー)」「馳馳(チーチー)」「騁騁(チンチン)」と名付けられた4頭の駿馬である。いずれも生き生きとした表情と躍動感に満ち、番組テーマである「駿馬疾走、勢い止まらず」を視覚的に表現している。

マスコットのデザインは、中国の歴史上、異なる時代を代表する名馬のイメージを融合させたものだ。馬体には、流れる雲を模した「流雲文」や山と雲を組み合わせた「山雲文」といった伝統文様があしらわれ、悠久の歴史が育んだ美意識と、新時代の躍動感が同時に感じられる。「物事が順調に成功する」「未来が明るく開ける」といった縁起の良い願いも込められている。
1.西周の気品を宿す「騏騏(チーチー)」

「騏騏(チーチー)」は、西周時代の青銅器「盠駒尊(れいくそん)」に着想を得たデザインだ。配色は、「騏」が本来意味する青黒色の馬を基調としており、落ち着きと気品を兼ね備えている。頭部には馬具の一種である「当盧(とうろ)」を着け、髪を高く結い上げた姿は、礼儀正しさと若々しい志を象徴している。
2.天を駆ける理想の馬「驥驥(ジージー)」

「驥驥(ジージー」は、漢代に神馬として称えられた「天馬」をモチーフとしている。姿勢は、国宝級文化財として知られる「銅奔馬(どうほんば)」を参考にし、翼の造形には、金銀象嵌やトルコ石装飾が施された青銅器に描かれた飛馬の意匠が取り入れられた。大きく翼を広げ、雲を突き抜けるような姿は、前向きに挑戦し続ける精神を象徴している。
3.唐代最高級の名馬を表す「馳馳(チーチー)」

「馳馳(チーチー)」のデザインは、唐代の名馬「三花馬(さんかば)」に由来する。たてがみを三つに整えた三花馬は、「昭陵六駿」に代表される唐代の史料や遺物に見られる、最上級の良馬とされてきた。自信に満ちた表情と、きりりと束ねた尾が、堂々とした風格と余裕を感じさせる。
4.人と自然の共生を象徴する「「騁騁(チンチン)」

「騁騁(チンチン)」のモデルとなったのは、地球上で唯一現存する野生馬であるプルジェワルスキー馬である。約6000万年に及ぶ進化の歴史を持つことから、「生きた化石」とも呼ばれている。現在、中国は世界最大のプルジェワルスキー馬の保護・繁殖地となっており、生物多様性の保全や生態文明の構築における重要な成果として注目されている。「チンチン」のがっしりとした体格と引き締まった姿は、人と自然が調和して生きる未来を象徴している。
4つのマスコットは、それぞれ異なる時代の文化的象徴を背負いながら、未来へ向かって力強く駆け出す姿を通して、2026年の春節を華やかに、そして希望に満ちたものとして彩る存在となりそうだ。
(中国経済新聞)
