中国ドラマ界ではこのところ、古装ドラマの話題作が続々と登場している。幻想的な仙侠ファンタジー、妖怪退治を描く玄幻作品、そして緻密な構成が光る推理ドラマまで、ジャンルも切り口も多彩だ。今回は、放送許可を取得し、初回放送が目前に迫る注目の3作品を紹介する。
『逍遥(しょうよう)』Xiaoyao / Carefree Journey/譚松韻(タン・ソンユン)× 侯明昊(ホウ・ミンハオ)

人族と霊族の百年にわたる確執を背景に、「善と悪は種族によって決まるのではなく、人の心にこそ宿る」というテーマを描く仙侠ドラマ。従来の定型を打ち破る構成が特徴で、全40話。すでに放送許可を取得しており、中国中央テレビ第8チャンネル(CCTV-8)での放送、動画配信サービス・愛奇芸(iQIYI)での独占配信が予定されている。
主人公は、自由奔放な性格の人族の少女・肖瑶(シャオ・ヤオ)。彼女は偶然足を踏み入れた万妖谷で、妖たちから崇拝される妖王・紅烨(ホン・イエ)と出会う。二人は霊族の修行の源とされる「玉醴神泉」を探す旅に同行し、やがて昆崙鏡の欠片、そして前世と現世をめぐる宿命の秘密へと近づいていく。

譚松韻が演じる逍遥は、人と霊の血を引く存在で、欲望に支配されない純粋さと侠気を併せ持つ人物。侯明昊演じる紅烨は、人間から妖王へと堕ちた過去を背負い、冷ややかさと妖艶さを併せ持つ複雑なキャラクターだ。反套路的な物語構成と実力派俳優陣により、新たな仙侠ドラマの評価基準を打ち立てる作品として期待されている。
『引灯訣(いんとうけつ)』The Lantern Spell / Guiding Lantern Formula/郭俊辰(グオ・ジュンチェン)× 夏夢(シア・モン)

作家・雨微醺による小説『七歌』を原作とした幻想ドラマ。冷酷な妖怪退治師と竹の妖の宿命的な関係を軸に、怪異事件の捜査と因果応報、輪廻転生の要素を織り込んで描く。全36話から32話に再編集され、9月19日に放送許可を取得。愛奇芸での独占配信が決定している。
呪いを背負う妖怪退治師・燕七歌(イエン・チーゴー)は、魂を導く「引魂の灯」を手に、妖を封じ魂を送り出す存在。一方、玉桑(ユーサン)は、2000年前に滅ぼされた風間国の王女の生まれ変わりで、一族を復活させるため燕七歌に近づき、引魂の灯を奪おうとする。

郭俊辰は、前世では天界の戦神、現世では罪を償うため妖怪退治を続ける燕七歌を好演。玉桑は竹の妖として生き延びた風間族最後の存在で、二人は「敵対」「利用」「愛」「選択」という段階を経て、最終的に自己犠牲による救済へとたどり着く。単話完結型の怪異事件が主軸となり、各話に意外な展開が仕込まれている点も見どころだ。
『唐朝詭事録・長安編』Strange Tales of Tang Dynasty: Chang’an/楊旭文(ヤン・シュウウェン)× 楊志剛(ヤン・ジーガン)× 郜思雯(ガオ・スーウェン)

高い人気を誇る『唐朝詭事録』シリーズの第3シーズン。前作までの推理劇と盛唐時代の権力闘争を融合した作風を継承し、中国的怪異美学をさらに深化させている。9月17日に放送許可を取得し、11月28日より愛奇芸での独占配信が予定されている。
盧凌風と蘇無名は、康国から献上される貢物「金桃」を護送する名目で長安に戻るが、やがて皇帝と公主をめぐる権力闘争に巻き込まれていく。全8章からなる怪異事件は、事件の裏にさらに事件が潜む多重構造となっており、怪死事件の背後には朝廷の陰謀が巧妙に隠されている。

楊旭文演じる盧凌風は、自身の出生の秘密が明らかになり、実母と皇帝の間で究極の選択を迫られる。楊志剛演じる蘇無名は官職を解かれながらも、水面下で情報網を構築。費鶏師の菓子店は情報拠点となり、裴喜君と桜桃は市井に溶け込み、捜査を支える。長安という巨大な舞台を盤上に、怪異と人間の欲望が交錯する本作は、シリーズの評価をさらに押し上げる作品となりそうだ。
幻想、怪異、そして人の業――。それぞれ異なる切り口で描かれる3本の古装ドラマは、幅広い視聴者層を惹きつけ、中国ドラマ市場に新たな熱気をもたらすに違いない。
(中国経済新聞)
