北京は冬の訪れが早く、12月はもう気温が氷点下になり池や川も部分的に凍結する。今日は風が穏やかだったので、シェアサイクルを使って市内を移動した。

- 指定の区画に整然と並ぶ自転車。
シェアサイクルは中国で完全に定着しており、アプリを使ってQRコードのスキャンによりロック解除して利用する。他の地域でも使える上に、ご覧のように数量もふんだんにあり非常に便利だ。

- 車両は右側通行で、白線の左側が自転車などの専用道、生け垣の右側が自動車専用道路。
今日はこの写真の自転車に乗って移動した。利用料金は格安でペダルも軽く、また北京は坂道がほとんどないので走りやすい。途中何度か足を止めて街の風景をカメラに収めた。

- 長富宮ホテル。天安門大通りの東側にある。
このホテル名は中国の象徴である「(万里の)長城」と日本の象徴である「富士山」を1文字ずつとったもの。日系企業も駐在しており、私はここで開催されたJETRO主催の商談会で、3回ほど通訳を務めた経験がある。

- CBDと呼ばれる北京市中心部に立ち並ぶ高層ビル群。中央に見える細長いビルが最高峰。
休憩をはさんで1時間半ほど走り、この店にたどり着いた。

- 日本料理店の「蔵善」。
日本大使館からほど近く、多くの外国料理店が立ち並ぶ通りの中で、特に日本人駐在員になじみの深い店である。この日はちょうどリニューアルオープンだったらしい。
店内で、長年この店を切り盛りしている店長の小林金二さんに話を聞くことができた。まず昨今の日中関係について、店への直接の影響は少ないという。ただ中国系航空会社の運休で日本に行けなくなった、という中国人から声が寄せられている。また、両国関係の「冷え込み」情報については、「どこから降ってわいたのか」などといぶかし気な表情を見せていた。航空便の運休については、前回のレポートの記述と同じくシーズンオフによる例年通りのもの、とも指摘していた。
私も長年北京で過ごした中、日中関係について、今よりもっと「険悪」と報道された時期もあったが、個人間で日本に敵意を示した中国人はいなかった。こうした一連の報道は、単なるネット上の話のネタに過ぎないのだろう。

- 蔵善で注文した生姜焼定食。
写真右側のお通しも含めて58元(1元≒22円)、良心的な値段であり、たっぷりと肉が盛られて十分に満足できた。
以下、街歩きで気づいた点をいくつか紹介する。

- 北京の地下鉄路線図。
毎年どこかの区間で新規開通しており、路線網は一段とびっしりしてきた。掲載された路線は、空港直結の高速路線や路面電車など一部を除き運賃計算が通しである。日ごろJRと私鉄の乗り継ぎに慣れている私は、乗り換えの際にうっかり改札口を出るというミスを演じてしまった。
この路線図の「您在此」(=現在位置)近くにあるのがこちらである。

- 奥林匹克(オリンピック)森林公園、通称“奥森”。
北京在住中は毎週末、1周約5㎞のコースでマラソン練習をしていた。開設当初はマラソンはマイナースポーツであったが、今やコースも整備され、案内図は電光掲示式になっている。
なお「マラソン」は中国語もほぼ同じ発音で“马拉松”といい、「北京マラソン」は“北京马拉松”、略して“北马”という。同じく「上海マラソン」は“上海马拉松”、略して“上马”である。また「フルマラソン」は“全程马拉松”で略称“全马”、ハーフマラソンは“半程马拉松”で略称“半马”である。ちなみに“半程冠军”といえば「ハーフマラソン優勝」のほか、サッカーや野球のリーグ戦で前半戦を首位で折り返す「首位ターン」という意味もある。
(文:森 雅継)
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【筆者】森雅継、東京都出身、早稲田大学商学部卒。北京在住歴17年で中国人の妻との間に2児、現在は家族4人で千葉県に在住。
