8月、北京の住宅価格下落速度が全国首位に

2025/09/18 12:45

2025年9月15日、中国国家統計局が8月の70の大中城市商品住宅販売価格変動状況を公表したところ、北京の二手房(中古住宅)価格は前月比1.2%下落し、全国で最大の下落幅となった。他の一線城市(北京、上海、広州、深圳)も下落が目立ち、上海は1.0%、広州は0.9%、深圳は0.8%の下落を記録した。北京、上海、広州の3都市は、二手房価格の前月比下落幅トップ10にランクインしている。
70の大中城市のうち、二手房価格が下落しなかったのは長春市のみで、前月は太原市だった。現在、住宅価格の下落勢いは止まらず、最近2ヶ月のデータから、一線城市の価格下落速度が二線・三線城市を明らかに上回っていることがわかる。8月には、不動産開発投資が前年同月比12.9%減少した。
融資状況を見ると、中国人民銀行が公表した最新の社会融資規模データによると、8月の社会融資増量は2兆5693億元(約53兆931億円)で、前年同月比で4630億元(約9兆5667億円)少ない。8月の住民新規貸出額は過去最低の303億元(約6260億円)となり、今年累計の住民新規貸出額も7110億元(約14兆6900億円)にとどまっている。一方、2021年の同期間のデータはそれぞれ5755億元(約11兆8916億円)と5兆5614億元(約114兆9612億円)だった。
今年8月、北京では救市政策が導入され、二手房取引量も下落を止めたものの、依然として価格を下げて量を確保する大勢は変わっていない。主な理由は、二手房の挂牌量(売り出し物件数)が継続的に増加しているためだ。58安居客研究院のデータによると、2025年7月には、全国100都市の二手房挂牌量が254.64万戸に達した。また、今年の30歳以下の住宅購入者比率はわずか25%で、若者が住宅を買わない主な理由は資金不足である。将来的に市場の購買力はさらに弱まる見込みだ。
北京を例に取ると、特に脆弱な物件の2種類がある。一つは「老破小」(古くて狭くて古い)学区房、もう一つは遠郊区に位置するが計画が実現しなかった物件だ。
北京の住宅価格が全国をリードして下落しているのは、本輪の住宅価格大調整の核心原因を反映している。つまり、不動産がもたらす「富効果」の消失である。不動産の富効果がかつて大きかったほど、その消失時の価格調整の幅度と速度は大きくなる。
現在、一線城市の消費データは二線・三線城市を下回っており、その原因もここにある。中国の住宅市場は低迷が続き、刺激策の効果が薄れている中、さらなる下落が懸念される。

(中国経済新聞)