中国のAIスタートアップ企業であるディープシーク(DeepSeek)は、2025年末までに先進的なAIエージェントモデルをリリースする計画を進めている。これは、市場メッセージとして報じられた内容で、同社は米国OpenAIなどの競合他社に対抗するための高度な機能を実装する意向だ。
AIエージェントは、ユーザーの最小限の指示で複雑な多段階タスクを実行し、過去の行動から学習・改善する能力を持つものと期待されている。この動きは、グローバルAI市場の競争をさらに激化させる可能性が高い。
ディープシークは、中国杭州市に拠点を置くAI企業で、2025年1月にリリースしたR1モデルで注目を集めた。同社は、低コストで高性能なAIモデルを提供することで知られ、今回の新モデルはR1の後継として位置づけられる。創業者である梁文峰(Liang Wenfeng)氏は、開発者向けにAIの活用を推進しており、エージェント機能の強化により、企業や研究用途での実用性を高める狙いだ。
Bloombergの報道によると、このプロジェクトはディープシーク史上最大規模のもので、ニューラルネットワークの進化により、効率性や意思決定速度を最大40%向上させる可能性がある。
同社はすでにDeepSeek-V3.1を2025年8月21日にリリースしており、これを「エージェント時代」の第一歩と位置づけている。このバージョンでは、ハイブリッド推論機能が導入され、複雑なタスク処理の基盤を築いている。市場関係者によると、ディープシークの強みはオープンソース戦略にあり、新モデルがオープンソースで公開されれば、中国AI産業のマイルストーンとなり、グローバルエコシステムに大きな影響を与える。 このAIエージェントのリリースは、米中AI競争の象徴的な出来事だ。OpenAIはすでに類似のエージェント機能を開発中だが、ディープシークはコスト効率の高さと革新的なアプローチで対抗する。報道では、新モデルがユーザーの指示を最小限に抑え、自主的に多段階アクションを実行し、学習を通じて改善する点が強調されている。これにより、企業バックオフィス業務の自動化や研究分野での活用が期待される。一方、米中間の地政学的緊張が高まる中、このプロジェクトは中国のAI優位性を示すものとして注目を集めている。
(中国経済新聞)