海関が「LAFUFU」など侵害品を押収 ポップマートが対策を強化、真贋判別のポイントは?

2025/09/6 11:30

中国のトイメーカー、ポップマート(北京泡泡瑪特文化創意有限公司)は、同社の人気キャラクター商品を模倣した侵害品が国内外で多数流通しているとして、取り締まりを強化している。

ポップマートによると、2025年1月から8月中旬までに、中国国内の海関は関連する侵害品183万点を差し押さえた。対象は237件の案件に及び、行き先は61の国と地域に広がっていた。さらに、同社が海外での取り締まりを進めた結果、これまでに27の国・地域で海関への権利登録を完了し、累計で約791万点、240件以上の侵害品が差し押さえられたという。オランダだけで26万点以上が見つかった。

侵害品の代表例としては「LAFUFU」が挙げられる。これは同社の人気キャラクター「Labubu」を模したものとされ、デザインがゆがみ、品質も低いとされる。観光地の店舗で、正規品(1体99元)に対して25元程度で販売される事例も確認されている。

ヨーロッパでも問題は広がっている。オランダの大手小売チェーンJumboやAlbert Heijnでも侵害品が確認され、ポップマートは今年7月、オランダ・ハーグの裁判所に「単方臨時禁令」を申請した。これは被告不在のまま裁判所が判断できる制度で、申請は即日認められ、判決文がJumboに送達された。Albert Heijnについては現在対応を協議中だという。

一方、インターネット上も侵害品の主要な流通経路となっている。ポップマートは300件以上の侵害リンクを確認しており、複数の越境ECプラットフォームが関与している。米国などで採用されている「Schedule A」手続きを活用し、匿名の販売者をまとめて提訴し、口座凍結や販売停止を求める取り組みも進めている。

また、今年7月には「Lafufu」という名称の商標をフィットネス用品の分類で出願した。これは防御的な登録であり、侵害対策の一環だと同社関係者は説明している。

消費者への注意喚起も行われている。ポップマートによれば、真贋判別のポイントは主に三つある。①防偽コードを初めて読み取った際、認証回数が2回以上と表示されれば偽造の可能性が高い、②正規品の外箱には専用の防偽シールが貼付されている、③商品底部にロゴの刻印がある。さらに、染色加工など細部の仕上がりも見分けの参考になるという。

ブランドの国際展開が進む一方で、模倣品との攻防は激しさを増している。ポップマートは今後も各国当局や販売プラットフォームとの連携を強め、侵害品の流通防止を図る構えだ。

(中国経済新聞)