中国民航局、6月28日より「3C認証なしのモバイルバッテリー」の国内線持ち込みを全面禁止

2025/06/27 16:30

中国民用航空局(民航局)は6月26日、緊急通知を発表し、2025年6月28日から「3C認証を取得していない」「認証マークが不鮮明」「リコール対象製品である」モバイルバッテリー(充電宝)の国内線航空機への持ち込みを全面的に禁止すると発表した。

「3C認証(中国強制認証)」は、中国政府が義務付ける製品安全認証制度であり、市場監督総局の規定により、2024年8月1日以降、3C認証を取得していないモバイルバッテリーは、生産・販売・輸入・流通すべての商業活動で使用が禁止される。

国家市場監督管理総局は2025年の全国製品品質監督抽査(抜き打ち検査)を展開しており、164品目にわたり、製造・流通・ECプラットフォームなどから計1万6000件以上のサンプルが抽出される予定だ。

モバイルバッテリーに関する過去の検査結果は芳しくない。2020年〜2023年にかけてのオンライン販売品の抜き取り検査で、不合格率はそれぞれ19.8%、25.0%、35.4%、44.4%と年々悪化。2024年初頭には、国家市場監督管理総局が88件のモバイルバッテリーを検査した結果、過充電保護などの安全項目で37.5%が不合格と判定された。

こうした背景の中、複数の大手企業が相次いで製品の自主回収を発表。深圳市に本社を構えるロマス(羅馬仕)テクノロジーは6月16日、2023年6月5日から2024年7月31日に製造された三つのモデル、計49万台以上のモバイルバッテリーをリコール対象とした。理由は「一部製品が極端な使用環境下で発熱・発火の可能性があるため」としている。

ロマスは2012年設立、年間出荷台数は5000万件を超えるとされる。今回の規模は、2019年に同社が実施した3792台規模のリコールを大きく上回っている。

また、世界的な中国発電子ブランド「Anker(安克創新)」も2024年6月20日、基礎モデルのモバイルバッテリー約71万台を自主回収すると発表。これにより、両社合計のリコール対象は120万台を超える見込みだ。

ロマスは「一部電池セル原材料の供給元に起因し、非常に少数の製品に過熱現象が発生する可能性がある」と説明している。

さらに、中国の主要バッテリーサプライヤー「安普瑞斯」に関しては、同社が取得している70件以上の3C認証が「一時停止」または「失効」となっており、6月21日にはISO品質管理、環境、安全衛生の三大体系認証も一時停止となったことが判明した。

中国政府は、急速に拡大するモバイル電源市場において、消費者の安全と公共交通の安全を守るため、今後も製品の規制強化と検査体制の強化を進める方針を示している。

(中国経済新聞)