中国税関総署が6月18日に発表した最新の月次統計によると、2025年5月における中国のリチウムイオン蓄電池(リチウム電池)の輸出は3億9000万個に達し、前年同月比で23%増加、輸出金額は58.58億ドルで26.3%増となった。
2025年1月から5月までの累計では、輸出数量が17.5億個(前年比17.4%増)、輸出金額が275億ドル(同24.2%増)と、引き続き高成長を維持している。
一方、太陽電池(ソーラーパネル)の輸出は数量が増加する一方で価格は下落する「量増・価減」の傾向が続いている。5月には、太陽電池の輸出数量が10.3億個で前年比74.2%増となる一方、輸出金額は14.8%減の24.07億ドルだった。
2025年1月~5月の累計では、輸出数量が45億個(前年比55%増)、輸出金額が110.68億ドル(同24.9%減)と、価格下落が際立つ。
また、リチウム電池、太陽電池と並んで「新三様」と称される電動乗用車の輸出も好調を維持しているが、欧州市場の影響により構造的な調整局面に差し掛かっている。
5月の電動乗用車の輸出台数は33.2万台(前年比46.5%増)、輸出金額は61.24億ドル(同33.1%増)。1月から5月までの累計では、輸出台数128.9万台(前年比37.4%増)、輸出金額235.93億ドル(同14.8%増)となった。
かつて電動乗用車輸出の主力だった純電動車(BEV)は、2024年に入り欧州連合(EU)による反補助金関税の影響を受けて連続的に減少傾向にある。
現在、BEVの輸出構成比は6割を切っており、中国メーカーは代替策としてPHEV(プラグインハイブリッド車)を欧州市場に積極投入している。
2025年5月のBEV輸出は18.8万台(前年比17.9%増)、輸出金額は31.31億ドル(同3.9%増)。1~5月累計では79万台(前年比10.3%増)、輸出金額132.09億ドル(前年比9.5%減)と、数量は増えても単価下落の影響が出ている。
一方、PHEVの輸出は数量・金額ともに大幅増加。5月には9.9万台(前年比130.1%増)、輸出金額20.17億ドル(同105.9%増)を記録。1~5月累計では33.2万台(前年比144.3%増)、輸出金額67.41億ドル(同89%増)と、急成長を遂げている。
アナリストは、「欧州市場における政策変化を受けて、中国の電動車輸出はBEV主導からPHEVとの二本柱体制へと移行している」と指摘しており、今後のグローバル展開における製品構成の柔軟性が注目される。
(中国経済新聞)