アリババ、「餓了么」とフリギーを中国EC事業グループに統合

2025/06/24 19:30

アリババグループは23日、同社CEOの呉泳銘氏が、フードデリバリーサービス「餓了么(ウーラマ)」および旅行プラットフォーム「フリギー(Fliggy/飛猪)」を中国EC事業グループに統合すると発表した。対象となる事業の従業員に宛てた全社員向けの社内メールで明らかにされた。

今回の統合により、餓了么およびフリギーは、アリババ中国EC事業グループの戦略的目標に沿い、業務遂行において一体化された方針のもとで運営されることになる。ただし、両社は引き続き会社としての独立運営体制を維持し、各自の経営判断やブランド特性を尊重した形で事業を継続する。

組織体制については、呉沢明氏が引き続き餓了么の董事長兼CEOを務め、庄卓然氏がフリギーのCEOを継続する。両氏は今後、中国EC事業グループのCEOである蒋凡氏に直属で報告を行う体制となる。

今回の組織再編は、アリババが「ユーザー中心・一体化運営」の方針を強化し、国内ECプラットフォームの競争力を高める狙いがあると見られている。特に、食品デリバリーと旅行という異なる領域で培われた技術・サービスを、グループ全体のエコシステムにより深く統合することで、ユーザー体験の向上と業務効率化を目指すとみられる。

アリババは近年、グループ内の事業再編と集約を進めており、今回の措置もその一環とされる。今後の動向に業界内外から注目が集まっている。

(中国経済新聞)