ヒューマノイドロボット分野の求人需要が急増、月給60万円超え

2025/06/18 11:30

中国のロボット産業が急速に発展する中、ヒューマノイドロボット分野の求人需要が急増している。智聯招聘が発表した「2025年ロボット産業人材発展報告」(以下、「報告書」)によると、ヒューマノイドロボット分野の求人ポジション数は前年比409%増と爆発的な成長を見せ、技術職の需要が全体の6割以上を占めている。特に、アルゴリズムや機械関連の職種で「井噴式」(爆発的)な需要拡大が顕著だ。

報告書によると、2025年1月から5月にかけて、中国のロボット産業全体の求人ポジション数は前年比6%増、求職者数は32%増と、需給ともに拡大している。一方、ヒューマノイドロボット分野では、求人ポジション数が409%増、求職者数が396%増と、産業全体を大きく上回る成長を記録。報告書は、具現化知能(Embodied Intelligence)がロボット分野のトレンドとなり、スマート製造や介護・コンパニオンなどの需要増がヒューマノイドロボット企業の商業化を加速させ、大量の雇用創出につながっていると分析している。

技術職の内訳を見ると、ロボットアルゴリズムエンジニアの求人ポジション数が前年比48%増で首位に立ち、次いでロボットデバッグエンジニアが45%増、機械構造設計エンジニアやロボットシミュレーションエンジニアも20%以上の成長を示した。

求人の給与水準は技術的難易度と密接に関連している。求人増加率がトップの職種では、ロボットアルゴリズムエンジニアの平均月給が25,368元(約50万円)で最高となり、5年以上の経験を持つ場合は33,665元(約67万円)に達する。次いでナビゲーション・位置情報エンジニアが21,066元(約42万円)、ハードウェア開発エンジニアが19,169元(約38万円)で続く。ヒューマノイドロボット分野では、ロボットアルゴリズムエンジニアの平均月給が31,512元(約63万円)、機械構造設計エンジニアが22,264元(約45万円)と高水準で、5年以上の経験を求めるアルゴリズム関連職の月給は38,489元(約77万円)に上り、産業全体の同職種を大きく上回る。

求職者は男性が中心で、若年層かつ高学歴の特徴が顕著だ。中国のロボット産業は、今後も技術革新と市場拡大に伴い、さらなる人材需要の増加が見込まれる。

(中国経済新聞)