運営難に陥る中国の映画館市場

2022/05/28 20:20

3月末以降、中国の映画館は2020年以来最大規模の閉鎖の波を迎えている。多くの地方政府がコロナウイルス対策の名目で映画館の営業を制限し、現在、全国では半分以下の映画館しか開館しておらず、多くの映画館経営者が、2020年よりも現状は更に厳しい状況であると感じている。

星博達(北京)シネママネジメント有限公司の劉建新総経理は、「今年の特徴は、公開される映画がないことだ。 国内の映画館の7割が閉館している以上、映画製作者が興行的に有望な作品に投資することが不可能。 良い映画がなければ、興行収入もない。興行収入がなければ、映画館は開けば開くほど赤字になる。」と、閉館以上に営業期間の損失が大きいことを語った。

中国の映画産業関係者は、映画館を低迷から脱却させるため、賃料の返還や値下げ、多様なビジネスモデルを自由化するなどの施策を求めている。

政府の規制により、すべての映画興行収入には3.3%の特別消費税が前払いされ、さらに5%の特別映画基金が課されることになっている。しかし、劉氏は、大幅な賃料減額を受けた映画館はほとんど見たことがないという。「特に非国営商業施設の賃貸物件は、不動産管理会社も様々な困難に直面しているため、賃料減額を受けたところは非常に少なく、不動産所有者に対して映画館の賃料免除を求める場合、政府が不動産所有者に適切な税制上の優遇措置を講じて初めて、不動産所有者は映画館に賃料免除を認めることができる」と述べた。

5月26日、江西省映画局が400万元(約7589万円)を拠出して観客に映画鑑賞の割引券を発行したほか、年初から営業している映画館で、興行収入があり、毎月の映画特別資金を適時に全額納付している380館、合計2825席に対し、1席あたり15元の割合で、総額423万7700元の特別コロナウイルス補助金が支払われた。

(中国経済新聞)