市場調査会社Counterpointの最新データによると、2025年第1四半期、全世界のスマートフォンの売上高は前年比3%プラスであった。現在の市場全体の流れが反映されているほか、激しい競争を演じる大手各社の中で開きが出ていることが数字に現れている。会社別に見た売上高の上位5社で前年増を果たしたのはアップルとvivoのみであり、高級化路線を歩み続けていることが好結果を支えた形になっている。

スマホについて、売上の増加とともに平均販売価格(ASP)も上昇している。レポートでは、2025年Q1の平均卸売り価格は前年比1%増の364ドルとなっており、スペックが高く機能の豊富な機種を求める傾向が強まっている。

上位5社の1台当たり平均価格を見ると、シャオミは155ドルと最も安く、コスパのいい商品をそろえて世界的に多くの利用者を集めている。　

vivoは207ドルで、中級以下のクラスで堅調である様子が伺え、技術革新の繰り返しや利用者ニーズに応じた商品戦略を通じて市場シェアを徐々に拡大している。OPPOは269ドルで、このところプロバイダとの連携の強化やブランドイメージの向上などにより、中高級品市場での競争力アップに努めている。

サムスンは326ドルで、高級タイプではアップルに及ばないものの、豊富なラインナップをそろえて初心者向けからフラグシップモデルまで細かい市場をカバーしており、世界トップレベルの地位を保っている。

アップルは816ドルで、去年同期よりやや値下がりしたとはいえ他社を圧倒している。スムーズでスピーディーな扱いが売り物であるiPhoneを擁し、出費を惜しまず購入してくれる「固定ファン」が世界に存在している。

また、2025年Q1のスマホの会社別売上シェアを見ると、鮮明な「ピラミッド」構造が形成されている。中国勢ではVivoが4%、OPPOが5%、シャオミが6%で、サムスンは18%、アップルは42%であり、上位陣では優劣が分かれている。アップルは出荷台数は1位ではないが、売上や利益はトップに立っている。

これら世界のスマホ市場に関するデータをまとめると、2025年第1四半期は蓄えを競う段階に突入し、利用者の増加ではなく商品構成の格上げで成長を狙っている様子がわかる。こうした中、各社とも正確に消費のトレンドをつかみ、技術革新や使い心地の向上により高級品タイプで十分に利益を獲得する必要がある。アップルが首位を独走しているが、折り畳みタイプやAIなど新たな分野についてアンドロイド搭載の各社がひたひたと迫っており、競争体制がさらに変化する可能性もある。

（中国経済新聞）