広汽集団、5月販売台数24.8%急落

2025/06/8 16:03

広汽集団(広州自動車)の2025年5月販売台数が前年比24.8%減の11万7698台に急落し、自動車業界に衝撃が走る。

これは単なる下落ではなく、ほぼ半減に近い壊滅的な数字だ。かつて輝かしい成功を誇った広汽が、こんな惨憺たる成績表を突きつけたことで、誰もが問わずにはいられない。中国自動車市場に一体何が起きているのか。

広汽の生産・販売速報を紐解くと、その冷酷な現実が浮かび上がる。5月の販売台数は前述の通り11万7698台で、今年1~5月の累計販売台数は60万5225台、前年比13.48%減。さらに皮肉なことに、新エネルギー車(NEV)が市場を席巻する中で、広汽のNEV販売台数は前年比28.49%減と大きく落ち込んだ。

しかし、広汽の苦境は決して孤立した事例ではない。中国の自動車市場全体を見渡すと、4月の乗用車小売販売台数は前年比5.7%減、5月はさらに厳しい状況だ。かつて隆盛を極めた合弁ブランドも、今や次々と下降線をたどる。この背景には、中国自動車市場が経験する深い変革がある。消費者はもはやブランド名に盲目的に飛びつかず、製品力やコストパフォーマンスを厳しく見極める。過去の成功に胡坐をかき、革新を怠る自動車メーカーは、市場から容赦なく淘汰される運命にある。

広汽の急落は、単なる一企業の危機を超え、業界全体の転換点を象徴する。競争が激化する中、技術革新や消費者ニーズへの迅速な対応が、生き残りの鍵となる。中国自動車市場の未来は、こうした変革を乗り越えた企業だけが切り開くだろう。

(中国経済新聞)