中国国務院の李強総理は6月3日、北京の人民大会堂において、日本国際貿易促進協会の会長である河野洋平氏(元衆議院議長)が率いる訪中団と会見を行った。
会談の冒頭、李総理は、昨年11月にペルー・リマにて行われた習近平国家主席と石破茂首相(当時)の首脳会談に言及し、「中日双方は戦略的互恵関係の全面的な推進、新時代の要請に適した建設的かつ安定した中日関係の構築に合意し、今後の方向性を明確にした」と述べた。その上で、「中日両国は地理的に切っても切れない隣国であり、だからこそ良き隣人、良きパートナーであるべきだ」と強調した。

李総理はさらに、「『互いに協力パートナーであり、互いに脅威とならない』という政治的コンセンサスを具体的な行動に落とし込み、実務的な協力の成果を積み重ねていきたい。両国の政治的信頼と国民間の友好の基盤を着実に強化したい」と語った。
また、国際情勢が複雑かつ深刻に変化している現状に触れたうえで、「中日両国には協力を深めるための特有の優位性があり、特に産業構造の補完性が高く、技術革新の分野でもそれぞれに強みを持っている。こうした利点を活かし、産業連携や貿易・投資の拡大、デジタル経済・グリーン経済・バイオ医薬といった新興分野、さらには第三国市場での協力も拡大していくべきだ」と提案した。
李総理はさらに、「中国は今後も高水準の対外開放を堅持し続け、日本企業を含む多くの外国企業の中国市場への参入と発展を歓迎する」と述べた。また、「日本国際貿易促進協会が両国の経済協力と国民の信頼深化に引き続き積極的な役割を果たすことを期待している。文化、観光、スポーツ、青年交流、環境保護といった幅広い分野での交流も強化していきたい」と話した。
これに対し、河野洋平会長は、「中国は日本にとって最も重要な経済パートナーであり、中国経済には内在的な成長力と強い回復力がある。現在の国際情勢は不確実性に満ちており、日中両国が意思疎通と調整を強化し、多国間主義と自由貿易体制を共に守ることが求められている」と応じた。
さらに河野会長は、「日本国際貿易促進協会は長年にわたり日中友好の促進に尽力しており、今後も中方との交流を拡大し、相互理解を深めたい。両国民の感情をより良いものにし、相互認識を改善し、互恵的な協力をさらに進めていきたい」と述べ、今後の協力強化への意欲を示した。
(中国経済新聞)