ハイテク企業万訊自控、2024年は純利益が365.40%減

2025/05/6 17:30

計器類、IOTスマートサービス、MEMSセンサー、ロボット3Dビジュアルなど様々な分野で自動化事業を手掛ける国家ハイテク企業「万訊自控」(300112.SZ)は2024年の決算発表で、売上高が前年より8.54%減って10.31億元となり、株主帰属の純利益は同じく365.40%も落ち込んで6661.83万元の赤字計上となった。

万訊自控は2023年に2510.08万元の純利益を出したが、今回の赤字転落は業界内の競争の激化や需要側の変動によるものと見られる。同社は、今後も引き続き市場競争や開発、信用度の落ち込みなど様々なマイナス要因に見舞われると表明している。

競争の激化と需要側の変動という二重苦が業績ダウンの主な理由と見られる。製品分野別に見た売上構成を見ると、現場計器類が約80%、二次計器類が約12%で、2024年はこれらがいずれも不振となり、売上高は前者が前年比8.34%、後者が15.11%ダウンした。今回の決算ではまた、低価格競争によりガスの検知器やバルブ類など一部の製品が影響を受けたと報告されている。

また利益率を見ると、二次計器類が3.68ポイント増えたものの、現場計器類や据え付け工事、圧力計器類とその付属品が落ち込んでいる。また2024年は信用損失の評価引当金9875.36万元を計上したことで純利益の大幅減を招いたことも見逃せない。

資金面では、2024年は営業活動におけるキャッシュフローが前年比82.98%の大幅減となった。これについては、売上高の後退で商品販売や役務提供による現金回収が減ったことが主な理由と説明している。また、売掛金が3.52%増えて資金繰りが一段と悪化した。

万訊自控は決算で、今後の見通しについて、以下のような不利益要因を挙げている。

1.この業界は各社分散傾向が強く、加えて技術が進歩する中でニーズも常に変化していることから、競争が激しくなる。

2.新しい技術や製品の開発の失敗、あるいは市場の普及度が当初の目標を下回るという開発上の問題が生じる。

3.買収した会社の今後の見通しが思わしくなく、信用損失が生じる恐れがある。

4.投資や吸収合併など資産運用のコントロール上のリスクがある。

5.生産ラインの改良や成都市竜泉駅区の工場など、生産体制の整備が遅れる可能性がある。

万訊自控は、「外的環境の変化に積極的に向き合い、主要取引先の価値を一段と掘り下げ、細かい分野での強みをさらに強化し、新規の事業を展開し、成長要因を多方面で育てていく」と表明している。

(中国経済新聞)