中国の自動車大手、長安汽車は現在、東風汽車集団との再編を進めており、再編案はすでにほぼ完成している。4月11日に開催された業績説明会で、長安汽車の董事長・朱華栄氏がこの計画を明らかにした。
2月9日、東風集団および中国兵器装備集団(長安汽車の親会社)は、それぞれの公告において、他の国有中央企業グループとの再編を検討していると発表。その時点から、再編の相手先として長安汽車の名が挙がっていた。
2024年、長安汽車は268.4万台を販売し、前年比5.1%の成長を記録。そのうち自主ブランドの販売が83.1%を占めた。特に新エネルギー車(NEV)と海外市場での好調ぶりが際立ち、NEVの販売は73.5万台、海外輸出台数は53.6万台に達した。売上高は2767.2億元で前年比7.7%増。新エネルギー車による売上は全体の46.5%を占め、海外売上比率も20.2%に上った。純利益は73.2億元、営業キャッシュフローは48.5億元を記録。2024年末時点での現金残高は1197億元、負債比率は62%となっている。
一方、東風集団は合弁会社の業績低迷が影響し、2024年の販売台数は189.59万台と、前年比9.2%の減少を記録。業績の差が再編の背景の一つと見られている。
今回の再編により、両社の経営資源の統合が進み、中国国内の自動車産業における国有企業の再編・強化が一層加速するものとみられる。
(中国経済新聞)