中米航路の貨物船が大量運休、上海洋山港のコンテナ滞留

2025/04/12 14:30

4月10日、アメリカのトランプ大統領が中国に対して125%の関税を課した2日目、上海港の状況は一変した。数日前まで貨物を積み込み、急いで出港する船で賑わっていた港は、10日にはアメリカ向けの貨物船がほとんど見られなくなった。

4月7日と8日には、上海港の洋山港区および外高橋港区に停泊するコンテナ船のほぼ半数がアメリカ向けだった。その多くは、関税発動前に貨物を積んで出港しようと、アメリカから急いで戻ってきた船だった。しかし、時間内に輸送を完了できなかったコンテナは、港のヤードに滞留し、貨物所有者が引き取りや他の対応を待つ状況となっている。

「現在、洋山島外のヤードにはこうしたコンテナがかなり積み上がっている。多くの貨物所有者が通関手続きの取り消しを進めている」と、中遠海運控股集団(COSCO)の洋山港駐在スタッフは語った。港の運営は混乱に直面しており、滞留するコンテナの処理が喫緊の課題となっている。

今回の関税措置により、中米間の物流は大きな打撃を受けている。上海港は世界最大級のコンテナ取扱量を誇るが、アメリカ向け航路の急激な停滞は、港湾業務や関連産業に深刻な影響を及ぼす可能性がある。貨物所有者や物流企業は、代替の輸出先や新たな対応策を模索せざるを得ない状況だ。

この事態は、中米貿易摩擦が物流現場に与える直接的な影響を浮き彫りにしている。今後、両国間の交渉や政策の動向が、港湾の正常化と貿易の回復にどう影響するかが注目される。

(中国経済新聞)