ハルピン、氷雪経済が盛んな中国の象徴

2025/02/12 07:30

2025年1月28日から2月4日までの8日間の春節連休中、ハルビンでは雪観光が大いに盛り上がった。氷の彫刻で有名な公園「ハルビン氷雪大世界」には、61万人以上の訪問者が訪れ、特に2月1日には10万人以上の来場者を記録し、1日来場者数の最高記録を更新した。

2月7日から14日まで第9回アジア冬季競技大会はこの都市で開催されるで、この公園の人気が高まっている理由の一つでもある。同大会は2022年北京冬季オリンピックに続く中国で2番目大きな冬季スポーツイベントとなる。

近年、中国全土で冬季スポーツや観光の人気が高まり、氷と雪の経済は著しい成長を遂げている。中国国家体育総局によると、2023~2024年の降雪期に、スケート、スキー、カーリング、アイスホッケーなど、さまざまな氷上・雪上スポーツに参加する人の数は全国で5,735万人に達した。全国の冬季レジャー訪問者数は前年比38%増で3億8,500万人を達した。昨年の雪のシーズンでは、ハルビンだけで8,700万人以上の観光客を迎え、前年比300パーセント増を記録し、1,248億元(約2兆6028億円)の観光収入を生み出した。

一方、氷雪の消費は国内需要を拡大するための重要なポイントとなり、「雪」資源を経済発展の「熱」原動力に変えている。オンラインショッピングや観光プラットフォームによると、昨年11月11日の「ダブル11」ショッピングフェスティバルの期間中、氷雪用具の注文が急増し、氷雪ツアーの検索と予約も急増した。中国の主要なECプラットフォーム天猫(Tmall)では、「ダブル11」ショッピングフェスティバル期間中、ダウンジャケット、保温ウェア、スキー用品などのカテゴリの売上が前年同期比で200%以上急増した。

豊富な氷雪資源を経済発展に活用するため、中国はスポーツ、文化、装備、観光を含む冬季経済の拡大に向けた取り組みを強化している。国務院弁公庁が発表した指針によると、中国は氷雪経済を新たな成長分野として推進し、2027年までに1.2兆元(約25兆円)、2030年までに1.5兆元の経済規模を目指している。これらの目標を達成するため、各都市や地域は冬季スポーツと観光を開発計画に統合した。黒竜江省は、中国-上海協力機構冬季スポーツ示範区として設立し、氷雪装備およびデジタル産業パークの開発を加速している。北京では行動計画が打ち出され、氷雪スポーツおよび消費の拡大、氷雪施設の建設促進など、24の具体的な施策が提案された。

氷雪経済の成長は、世界的な注目も集めているなか、ビザ免除政策の最適化や新たな国際航空路線の開設など、さまざまな施策により、多くの外国人観光客が中国の冬の季節を楽しむようになっている。

中国外務省の郭家坤報道官は木曜日、中国の活況を呈する氷雪経済が世界の観光市場に新たな活力を注いでいると述べ、世界中の友人たちに氷雪イベントへの参加を呼びかけ、友情と協力を深めるよう温かい招待の言葉を送った。

(中国経済新聞)