広東省、海外の受注が大幅減 ベトナム移転を検討する企業も

2022/05/23 14:05

今年に入り、原材料価格や人件費、物流コストの上昇に加え、各地でのコロナ発生や規制策の実施により、沿海部では稼働が長期間停止して納期を守れず、大量の受注を失った企業もあり、一部はベトナムへの移転を検討している。

貿易の盛んな広東省では、繊維業界や靴の製造会社が海外からの受注を失っている。今年1月~4月、中国全体の商品貿易総額は前年同期比で7.9%プラスであったが、各社とも新規受注件数の低下に悩まされている。

4、5月は例年、海外の受注が旺盛な時期であるが、今年の第二四半期は、「不景気」「受注不足」などと口々に言われている。

「このところ受注が落ちている」。5月20日、深セン市東莞で靴の工場を営んでいる李翔さんは、「華夏時報」の取材に対してこう答えた。

「月初めにアメリカの取引先から見積もりを依頼されたが、ちょうど為替レートが変動していたころで、慎重な様子だった。何度も見積もりを出して打合せしたけれど、結局は東南アジアの工場に持っていかれた」。李さんによると、業界内で、一部の工場を人件費の安いベトナムへ移転する方向で検討中、とのことである。

粤開証券研究院の羅志恒氏院長は、「コロナにより産業チェーンやサプライチェーンの安定性が脅かされ、経済のサイクル全体が危うくなっている。特に、サプライチェーンの中心的存在である上海のコロナで、長江デルタ全体に影響が及んでいる。外資系の中には、ベトナムなどへの完全移転を検討している例もある」と指摘している。

(中国経済新聞)