トヨタが上海に工場を建設する背景は

2025/01/27 07:30

トヨタ自動車が上海で新エネルギー車の工場建設に向けて準備中、との情報が伝えられた。

この知らせは、中日両国の産業界で強い関心を呼んでいる。

まず日本側で、「中国撤退」との流れが進みつつある中、トヨタはなぜ逆行する道を選んだのか。

また中国側では、新エネルギー車メーカーが「オオカミが来た」と感じている。何しろトヨタは世界最大の自動車メーカーで、技術開発力や生産技術がずば抜けているからだ。

これまでに中日両国で明らかにされた情報によると、工場の立地場所は上海市の金山区で、届け出によると敷地面積も大きく、開発センターや製造プラントのほか、テストコースも設けるという。2025年に用地の確保を終えて着工に入り、2027年に操業開始予定で、高級タイプである「レクサス」シリーズの電気自動車(EV)を、ミニバンタイプも含めて生産することになる。

トヨタにとって、今回の上海工場建設は前例のないものとなる。

トヨタは2000年に中国での生産を手掛け始めたが、中国の第一汽車集団および広州汽車集団との折半出資による合弁形式での事業であった。しかし今度の工場はトヨタが100%を出資するもので、日系車全体でも初めての単独出資による工場となる。

トヨタの中国の生産拠点はこれまで広州、天津、成都に立地していたが、今回初めて、経済的に最先端をゆく長江デルタ地帯に拠点を構えることになる。

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