ファストフードのケンタッキー中国法人は12月24日、およそ2年ぶりとなる価格改定をした。平均2%、金額にして0.5元~2元(約11円~43円)の値上げである。市場のコスト変化によりよく適応し、会社として安定し健全な成長を確保することが理由としている。
ケンタッキーの責任者は、「運営費の変化に合わせ、定期的に評価し価格構成を慎重に見直している。一部商品は値上げとなるが、セットメニューは据え置きとする」と述べている。
ケンタッキーは今年初め、指定の配達料をそれまでの9元(約194円)から6元(約129円)に引き下げたほか、「持ち帰りサービス料」の徴収を開始した。これについては、「持ち帰りに際し、包装を保温タイプのものにしたり別途担当者を設けたりするなど、よりよいサービスを導入したため」としている。
また、同じく外資系ファストフードのマクドナルドも2023年末に値上げしており、顧客担当の方から「運営費の変化に合わせ、価格構成を定期的に評価し見直している」とのコメントがあった。
ケンタッキーはこれまで中国で、外資系ファストフードの中でトップを走っていたが、市場争いが激化する飲食業界にあって、改革を迫られる状態になっている。コーヒーについてはこうした競争を前に、KCOFFEEとの共同店舗を設けて資源を共有する形も講じている。KCOFFEEの店舗数は現在600店となっている。
飲食会社はおおむね1-2年ごとに価格改定をしている。ここ数年は賃料の値上がりに伴い運営会社や加盟店の負担が増大している地域もあり、また米や小麦粉、鶏などの肉類、食用油、野菜など農産物が値動きしていることから、ファストフード業界はコスト抑制やリスク対策が難しい状態になっている。ただその一方、客を引き寄せるために割安なセットメニューを打ち出す事業者も多い。コスト変化への適応と、利用者の愛着感の引き留めのバランスを見出すことが、各社とも課題となっている。
(中国経済新聞)