オンライン学習の「納米盒」が米ナスダック上場 約7.5億元を調達

2024/12/11 14:05

2024年12月6日、中国でオンライン学習用アプリ「納米盒」(namibox)を運営している上海進馨網絡科技(以下「納米盒」)が、銘柄コード「NAMI」でナスダック上場(IPO)を果たした。同社は2023年3月27日にアメリカ証券取引委員会(SEC)に目論見書を提出しており、1年あまりの努力の末、ようやく重要な一歩を踏み出したことになる。「納米盒」は今回の上場に際し、1株4.00ドル(約601元)の預託株式(ADS)を125万株発行する形で、500万ドル(約7.52億元)を調達する計画である。

K-9の児童を対象にデジタル教育を実施している「納米盒」は、中国で強力なコンテンツ開発力をバックに業界のトップランナーになっている。著名な市場リサーチ会社のFrost & Sullivanによると、「納米盒」は2022年に中国最大のデジタル教科書アプリとなり、翌2023年も引き続き好調だったという。また自習用アプリのNamiboxは 2024年6月30日現在、海外も含めて8000万件がダウンロードされ、ログインユーザー数は4000万人以上と、広大な利用者層や成長の可能性が示されている。

「納米盒」は、今回のIPOで調達する資金のうち、約50%を商品やコンテンツの開発に使い、20%をマーケティングやプロモーションに費やす。こうした取り組みで市場の地位がさらに安定する上、扱いも便利になり、商品の対象範囲も拡大する。また人材の確保に20%を当てる予定であり、スタッフの育成や技術力の向上を重視している様子がわかる。残りの10%は一般企業としての用途や潜在的な投資につぎ込むことになり、マーケットの好機をつかむことでさらなる成長維持をうかがう意向が見て取れる。

「納米盒」は決算データを見ると、売上高については2022年が2.36億元(約48.8億元)で、2023年は61%増えて3.80億元(約78.5億元)であった。2024年上半期は1.98億元(約41億元)とやや伸び悩んだが、今後の見通しはかなり楽観視しているようである。また最終利益もかなりの伸びを示しており、特に2023年は前年より50%も増えて8349万元(約17.2億元)となっている。

Frost & Sullivanによると、中国のK-9向けデジタル教育事業のシェアは依然として多数乱立状態であり、上位5社の合計も12.1%に過ぎず、「納米盒」にとっては食い込む余地が十分にある。市場規模は2027年まで年間19.8%の割合で成長し続け、2022年の96億元(約1984億元)から237億元(約4898億元)まで伸びると見られる。「納米盒」は現在、海外事業を積極的に展開しているほか、より多くの利用者を集め、定着させるために、バーチャル学習コミュニティーの整備を計画している。