中国は12月2-3日、世界貿易機関(WTO)の貨物貿易理事会で、カナダが中国から輸入される商品の一部に追加関税を課していることに改めて反対を表明した。
中国は、「カナダは10月から中国製の電気自動車(EV)に対して100%、鉄鋼製品やアルミ製品に対して25%の追加関税を課しているが、これらの措置はWTOに対する約束に違反し、市場経済や公平な競争の原則に反するものだ」と主張した。
カナダは先ごろの発表により、中国から輸入されるEVに対して10月1日から100%の関税をかけている。また、10月22日から25%の追加関税を課す中国輸入品の鉄鋼製品やアルミ製品のリストを発表した。
中国は今回、「カナダの一国主義や保護貿易主義には断固として反対だ。ルールに基づく多国間貿易体制を著しく破壊し、世界の産業や貿易、サプライチェーンを乱すものだ。中国はカナダの声明について、中国の政策や方策とカナダの価値観があべこべだということに気づいている」と主張した。また「WTOはルールに基づく組織であって価値観に基づく組織ではない。加盟国は異なる価値観ではなく共同で定めたWTOのルールにより貿易の政策や方策を講じるべきだ」と強調した。
これに対してカナダは改めて、「中国の自動車生産は、自動車や鉄鋼、アルミなどカナダの基幹業種における産業や労働者を脅かしている」と主張した。アメリカもこれに賛同している。
中国は11月19日-20日に行われたWTOの市場参入委員会でも、カナダによる中国製EVなどへの関税徴収を批判していて、今回はWTOの主要定例会におけるこの件についての2度目の主張となる。中国は現在、カナダの行為が一国主義や保護貿易主義に当たるとしてWTOに提訴しているほか、法に基づきカナダの制限的な措置について反差別調査をしている。
中国商務省のホームページによると、11月16日に王文涛商務相がペルーのリマでカナダのメアリー・エング(Mary Ng)貿易相と会談し、両国の経済や貿易関係、ならびにそれぞれ関心のあるの経済や貿易問題について実務的で率直な意思疎通をしたという。
(中国経済新聞)