四川省、車載電池の生産量が中国全体の2割 来年は生産額10兆円以上となる見込み

2024/08/27 13:30

四川省宜賓市で9月1日から2日にかけて行われる車載電池に関する世界大会の記者発表会で、同省経済情報化庁の翟剛庁長は、「四川省はわずか4年で車載電池産業をゼロから急成長を果たす存在とし、中国全土でも特に競争力のあるものにしている」と述べた。

翟庁長は、「四川省はリチウム鉱や再生可能エネルギーが豊富であり、車載電池産業を成長させる条件が整っている。2019年から宜賓に大手企業を誘致しており、原材料のみを備えた状態から、リチウム鉱の開発や材料および電池モジュールの生産やリサイクル利用といったトータル産業チェーンを整備するに至り、宜賓を中心地として遂寧、成都、眉山、徳陽、達州、甘孜、阿塤などに及ぶ形を作り上げた」と述べた。

翟庁長はまた、「四川省には現在、産業チェーンの川上から川下まで計200社以上が集結しており、車載電池の装着容量上位10社のうち5社(うち4社は世界のでも上位10社)が存在する。2023年の車載電池生産量は前年より27%増えて105.4GWh、中国全体のほぼ6分の1である」と説明した。今年に入ってからは国内および海外で市場がやや減速し、値段も下がり気味だが、それでも四川省の車載電池産業は急成長を続けており、今年上半期の生産容量は前年比56.4%増の64.6GWhで中国全体の5分の1を占めている。

翟庁長は、「特記事項として、四川省は2年連続で車載電池の世界大会を開催しており、この間に実行が確定した案件の数は100件で投資額は2000億元(約4.1兆円)となっている。産業のクラスター効果が如実に表れ、産業チェーンの基盤や伸びしろが一段と膨らんでいる」と述べた。概算によると、2025年までに省内の車載電池産業における生産額は5000億元(約10.2兆円)となり、中国でも特に整備され競争力を備えた地域となる見込みである。

今回で3年連続の大会開催地となる宜賓は、四川省における車載電池産業の中心地であり、生産体制300GWh以上を目指す中で現在は180GWhに達している。2023年は、車載電池の販売容量が中国全体の15%となる96GWhで、産業全体の生産額は1000億元(約2.05兆円)以上となっている。

(中国経済新聞)