新作ゲーム「黒神話:悟空」リリース、撮影地の観光業を刺激

2024/08/24 07:30

中国で8月20日、昔の建物を忠実に再現した上、「西遊記」の孫悟空を巧みにモチーフにしたゲーム「黒神話:悟空」がリリースされた。たちまち世界のゲームファンを魅了したほか、文化や観光界の注目の的にもなっている。

この前に山西省の文化観光庁は、中国の大手動画配信サイト「bilibili(ビリビリ)」の公式アカウントで、ゲームの撮影舞台となった建物の動画を配信しており、8月19日までの再生数が168.9万回となっていた。

これまでの発表によると、撮影場所はいずれも観光地である四川省の安岳茗山寺、重慶市の大足石刻、浙江省杭州の霊隠寺、麗水の時思寺など、中国全土の36か所となっている。この中で、山西省は小西天、玉皇廟、鉄仏寺など計27か所も存在しており、SNSではゲームに現れた建物の実物が随分とアップされている。

中国の大手旅行予約サイト「トリップドットコム」によると、8月20日午前0時~12時の山西省への検索件数は前日より10%以上増え、このうち「大同」、「朔州」などは2割増しとなっている。

IT大手「アリババ」の傘下にあるオンライン旅行予約サイト「飛猪」(Fliggy)でも、ゲームのリリース当日の山西省旅行に対する検索は前月比で2倍となり、中でも玉皇廟、崇福寺、小西天、鉄仏寺、双林寺などゲームの舞台となった場所は急増している。地域別に見た検索数から、「悟空とともに山西省へ」との希望が強いのは北京市、浙江省、河南省、陝西省、上海市などとなっている。

山西省では、現存する古代の建築物が2023年の段階で計28027か所となっている。このうち元朝以前の木造建築は中国全体の85%にあたる495か所であるほか、他地域にはない唐の時代の建物も3か所ある。明朝や清朝の建物も数多い。

「黒神話:悟空」の撮影場所となった山西省、重慶市、湖北省襄陽市、四川省閬中などでは今、ブームに乗って観光PRをしている。トリップドットコムによると、ゲームのIPは観光マーケティングの新たなきっかけになるという。有名なゲームIPは人気が幅広くてよく知られているので、行楽地の知名度を押し上げられる上、ゲームIPに関するイベントや記念日のおかげでシーズンでない時期にも客足が伸び、観光客の数が年間で平均化するとのことである。

(中国経済新聞)