上海の銀行で購入した金条に偽造疑惑、内部に不純物か

2025/05/9 11:30

中国の金市場は近年、価格が過去最高値を更新し続けるなど、依然として活況を呈している。金は現在、中国社会において最も人気のある価値保存手段の一つとなっている。しかし、2025年5月7日、ある中国のネットユーザーが、上海の銀行で購入した金条に不純物が含まれていると主張し、注目を集めた。

問題の発端は、微信(WeChat)のグループチャットでの会話だ。あるユーザーが「皆さん、私の友人が銀行で購入した金条を溶かしてみたら、こんな状態でした。銀行の態度は非常に強硬です」と投稿した。投稿に添付された写真には、2本の金条が写っており、そのうち1本には「**銀行」と刻印されている。金条は中央で切断されており、内部に黒い不純物のようなものが確認できる。

グループ内の他のメンバーは、「偽物の金条を売ったのか?」「中にある黒いものは何? 純金じゃないの?」と疑問を投げかけた。これに対し、投稿者は次のように説明した。友人は銀行から金条を受け取った後、装飾品に交換しようと金店を訪れたが、そこで問題が発覚したという。「幸い、封を開けていなかったし、金店で録画もしてもらった。最初、銀行は金店側の問題だと主張したが、友人が金条の番号やロゴが銀行の書類と一致していると指摘した」とのことだ。投稿者はさらに、「皆さんも交換した金条を持っているなら、溶かして確認してみては」と呼びかけた。

このチャットの中で、「南翔支行」という言葉が登場し、問題の銀行が上海南翔支行ではないかと推測されている。また、投稿者によると、5月6日には金融監督当局がこの問題について投稿者の友人に連絡を取ったという。

5月8日、中国のメディア『華商報』が当該銀行に問い合わせたところ、銀行のスタッフは「現在、事実関係を確認中であり、現時点ではコメントできない」と回答した。

この事件は、中国の金市場における信頼性に対する懸念を浮き彫りにしている。金は価値の安定性が期待される資産だが、こうした偽造疑惑は消費者の不安を増幅させる可能性がある。金融監督当局や銀行による調査の進展が注目される中、消費者は金製品の購入時に一層の注意を払う必要があるかもしれない。

(中国経済新聞)