広東省、AI関連産業の規模が1800億元に グレーターベイエリアで「データ特区」を整備

2024/08/14 11:30

広東省は去年、AI関連の産業規模が1800億元(約36971億万円)以上となり、その4割以上が深センで産出された。今後は横琴、前海、南沙、河套など主要地域を足がかりに香港・マカオにまたがる「データ特区」を整備していく。これは省の工業情報化庁が全人大代表や政治協商委員への提案に対する回答で明らかにしたものである。

これによると、広東省のAI産業は現在、広州と深センがけん引し、珠江デルタを軸に各市までひろがり、相互に補完し合う仕組みが形成されつつある。この中で深センは、イノベーションや産業立地などのメリットを生かし、「鵬城雲脳」や「河套運算力企業群」などを整備し、HarmonyOSの普及利用を進め、AI先行の都市づくりに取り組み、2023年にはコア産業の規模が800億元(約16432億万円)となっている。また国内トップの大規模言語モデル(LLM)の利用モデル地域を目指す広州は、2023年の産業規模が450億元となっている。

広東省には、省認定のAI産業パークが計11か所ある上、国家認定のAIイノベーション利用先行エリアは中国の省・地域別で唯一2か所となる広州と深センが存在する。去年の段階でAI関連企業の数は省・地域別最多の48.9万社、そのうち上場企業は中国全体のおよそ25%となる1269社で、「小巨人」と呼ばれる専門化・精密化・特徴化・新規性の認定企業数は同じく最多の334社である。

広東省はまた、産業用ロボットの生産量が4年連続でトップであり、現在は基盤技術から基幹技術へ、さらに業界内で十分に行き届いたAI産業チェーンの形成を果たしている。基礎技術では、ファーウェイ、テンセント、雲天励飛(Intellifusion)などの主力企業が先端半導体、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、スマートセンサーなどで国内外のトップクラスに位置している。また技術面では、商湯科技(センスタイム)、雲従科技(クラウドウォーク)などが機械学習、自然言語処理、コンピューター・ビジョンなどのコア技術で競争力を高め、利用面では、DJI 、優必選科技(UBTECH Robotics)などがスマートロボット、スマートシティー、スマート製造などで力をつけている。

広東省は、AIと製造業のコラボレーションをベースにスマートロボットの普及に取り組む「AI+」行動を本格推進している。機械の脳や手足や胴体、汎用製品などの開発や生産をし、人型ロボットなど知能のあるロボットの製作や応用を進めている。柔軟にやり取りし経路を適時定められる協働ロボットや自律ロボットなど精度のある産業用ロボットを普及させることで、様々な業種でAIを活用できるようにしていく。

(中国経済新聞)