パリで開かれているオリンピックの競泳で、20歳になったばかりの中国の潘展楽選手が男子100メートル自由形決勝で世界記録を破る46秒40をマークし、男子短距离自由形で中国勢初の金メダルに輝いた。潘選手はその後、男子4X100メートルのメドレーリレーでアンカーとして45秒92のタイムをたたき出して逆転劇を演じ、この種目で40年間トップを守り続けていたアメリカを下して金メダル獲得に貢献した。
輝かしい成績を収めた潘選手は、商業的価値も非常に高い。これまでのまとめによると、トリップドットコム(旅行予約サイト)、農夫山泉(飲料)、メンソレータム(ヘルスケア)、CLEAR(ヘアケア)、ZEEKR(EV)、ディディ(配車)などとスポンサー契約を結んでいる。
業界内では、競泳や卓球などの選手はテニスやスキーなどとは異なり、庶民的なイメージがあり大衆商品での広告起用に向いていると見られている。また、競技成績やはつらつとしたイメージなどもスポーツ選手を広告に起用する理由となっており、特にテレビや映画のタレントが相次ぎスキャンダルに見舞われている中、健康的なスポーツ選手がビジネス界から一段と注目を浴びるようになっている。
スポーツ選手を起用する決め手について、トリップドットコムの旅行ブランドトータルマーケティング総経理である丁璐氏は、「若さ、競技成績、当該種目の世界での普及度、人気の度合い」などを挙げている。オリンピック選手の起用にあたり、今回はいずれも2000年代生まれを対象として若年化を果たしたとのことで、競技成績については潘選手(競泳)、張博恒選手(体操)、王昶選手、梁偉鏗選手(ともにバドミントン)など、みな世界的な実力者である。当然ながら競技種目の世界的な普及度、本人のルックス、話題性なども見るという。特に、芸能タレントの「イメージダウン」が広まる中、健康なイメージのスポーツ選手を評価する動きがビジネス界に広まっている。
IT産業アナリストの張書楽氏によると、商業的価値は競技種目によって異なるという。例えばテニスはもともと「お金持ちのスポーツ」というイメージが強い上にガチンコ勝負なので、見ていて面白い。全般的に言えば、種目の商業化レベルはぶつかり合いの激しさ、どちらが勝つか予測が難しいもの、一般大衆への人気度と関わりがあるとのことで、体がぶつかるガチ勝負のサッカー、バスケットボール、バレーボールの球技3種目が特に価値ありと見なされている。
(中国経済新聞)