ベネズエラ国営航空会社コンビアサ航空(Conviasa)は1月3日、微信(WeChat)公式アカウントで重大な運航変更を発表した。1月5日午前3時発予定のV0771便(広州→カラカス)が「不可抗力」によりキャンセルされた。
この路線は現在、中国とベネズエラを結ぶ唯一の直行便であり、経由地はモスクワ。往復で約30時間かかる長距離路線で、両国間の人的・経済的交流の重要なライフラインとなっていた。
キャンセル理由となった「不可抗力」は、1月3日未明に米国がベネズエラに対して行った大規模軍事作戦に起因するとみられる。米国軍は150機以上の航空機を投入し、カラカスをはじめとする複数地点を空爆・特殊部隊突入により攻撃。ニコラス・マドゥロ大統領と夫人シリア・フロレスを拘束し、米国本土(ニューヨーク)へ移送した。マドゥロ氏は麻薬テロリズムなどの罪で連邦裁判所に出廷予定(1月5日)。
この軍事行動を受け、カリブ海空域に米国による飛行制限が発令され、米系航空会社を含む多数の国際便が数百便キャンセルされた。カリブ地域(プエルトリコ、サン・マルタン、アルバ、ドミニカなど)で休暇中の旅行者が多数足止めを食らっている。
一方、ベネズエラから広州に向かっていたV0770便は1月4日朝に無事着陸したものの、今後の運航再開は不透明だ。航空会社中国区担当者は「国際情勢の不安定化による安全上の理由」と説明し、乗客には全額払い戻しまたは改便対応を案内している。次回便は1月16日以降の見込み。
海運業界でも影響が拡大している。ベネズエラ向け輸出貨物の顧客から出荷停止の要請が相次ぎ、すでに港を出たコンテナについてはパナマ寄港または中継港での滞留申請を求める動きが出ている。ベネズエラは世界最大級の原油埋蔵量を誇る資源国であり、中国企業にとって重要な貿易相手国であるだけに、物流途絶による経済的打撃が懸念される。
米国によるこの軍事介入は国際社会で大きな波紋を呼んでいる。中国外交部は「深刻な懸念」を表明し、「国際法と国連憲章の原則に明白に違反する」と強く非難。ロシア・キューバなども同様に批判を強めている。一方、米国側は「麻薬テロ対策」「国家安全保障上の必要措置」と正当化している。
今後、ベネズエラ国内の政情安定化と空域・海域の正常化が待たれるが、少なくとも短期的には中南米航路の混乱が続き、中国企業・個人旅行者のベネズエラ渡航・輸出入業務に深刻な影響を及ぼす可能性が高い。
(中国経済新聞)
