BYDは7月31日、モビリティーや配達を手掛ける国際テクノロジー会社のUberと提携することで合意したと発表した。BYDの電気自動車(EV)10万台を世界の主要国におけるウーバーのプラットフォームに導入するというものである。
この事業はまずヨーロッパと中南米で始め、オーストラリア、ニュージーランド、中東などに順次拡大する予定という。今後は充電割引や、自動車の整備や保険の優遇措置の提供まで検討するほか、各国の具体的な状況に応じローンやリースのプランを提供し、より多くのドライバーにEVを選んでもらおうと呼びかける。
BYDは今回の事業で、「バスのEV化—タクシーのEV化—マーカーのEV化」という流れによりEVへの許容度を徐々に高め、最終的にEV乗用車の普及率上昇を促したという中国でのEV普及の成功経験を再現したいと願っている。
BYDは海外のEVバス市場でも一定の地位を占めており、現在はUberを始めとするオンライン配車プラットフォームの重要な突破口とすべく、乗用車輸出の重要な時期を迎えている。中国企業資本連盟の柏文喜副理事長は、「今回の事業提携はBYDのグローバル化戦略の重要な一歩で、海外市場へのスムーズな進出とシェア獲得を促すものだ」と述べた。
BYDは今年、海外市場向けのマーケティングを強化しており、Uberとの提携以外でも、知名度のアップに向けて多くの国際スポーツ大会のオフィシャルパートナーとなっている。新エネ車は現段階で、世界の88の国や地域の計400以上の都市で販売されており、今年上半期の海外での新エネ乗用車販売台数は前年同期比173.80%増の20.34万台となっている。
一方、UberはBYDとの提携により、「2030年までにアメリカやカナダでゼロエミッションを果たす」という約束の実現が近づく。Uberのデータによると、ドライバーの運転時間が長いことから、EVを使用した場合の排出削減効果は普通のドライバーの4倍にのぼるという
ブランドコンサルティング会社「福建華策」を立ち上げた詹軍豪氏は、「UberはBYDとの提携でEV車種に厚みが加わり、エコで低炭素な移動という消費者ニーズを満たせるほか、ランニングコストを引き下げ経営効率がアップする。協力してEVを普及させることで、エコなモビリティーという点でUberのイメージや社会的責任が高まる」と述べている。
(中国経済新聞)