中国、上半期の婚姻数が前年比49.8万組減 年間では1980年以来の低水準か

2024/08/6 17:30

中国民政省が発表した2024年上半期の統計データによると、婚姻数は去年同期の92.8万組より49.8万組少ない343万組であった。また離婚数は127.4万組で、同じく去年同期の131.7万組より4.3万組少なかった。

2024年上半期の婚姻数は、2014年同期の694万組の半分にまで減っている。長年にわたり婚姻数に目を向けている人口学者の何亜福氏は、「例年通りのペースで行くと、今年1年間の婚姻数は1980年以降で最低となるおよそ660万組となる」と予測している。

中国の婚姻数は、2013年の1346.9万組をピークに9年連続で低下していたが、2023年にようやく歯止めがかかり、前年増となる768万組であった。この理由は、2020年~2022年はコロナ禍で結婚を延期した人が多く、その反動が表れた結果である。しかし2024年上半期に再び減少に転じたことから、こうした「リベンジ効果」はもはや薄れ、年間では引き続き減少すると見られる。

結婚が減っている原因について何氏は、若い世代の数が減っていること、適齢期の人口に男女差があること、初婚年齢が伸びていること、結婚にはお金がかかること、また考え方が変化していることなどを挙げている。また、出生数も2024年の前半に一部の地域でやや増えたものの、婚姻数が減ると見られることから、2025年もまた減っていくという。

中国の第7回国勢調査によると、出生年代別に見た現存人口について、1980年代生まれは2.15億人、1990年代生まれは1.78億人、2000年代生まれは1.55億人と、どんどん減っている。また適齢期の男女別人口比について、20-40歳では男性の方が1752万人も多くなっている。こうした構造的問題は今後の人口動向が大きく左右するものである。

初婚年齢の上昇も婚姻数減少の大きな理由である。国勢調査によると、平均初婚年齢は2010年には男性が25.75歳、女性が24歳であったが、2020年は男性が29.38歳、女性が27.95歳となっている。

何氏は、「若い世代の人口減や子供をもうけたいという意欲の低下に対し、出生数の低下を抑えるには、出産・子育てを支援する有効な策を実施することが大事だ」と述べている。

(中国経済新聞)