日本政府要人が相次ぎ中国を訪問する背景は

2024/08/1 17:30

7月の中旬から下旬にかけて、日本政府の閣僚や与党の要人が相次ぎ中国を訪問している。これまでの状況をまとめると、武見敬三厚生労働大臣が7月17~19日にまず訪中し、次いで7月19~23日に自民党の森山裕総務会長一行が上海、湖南省、北京などを訪問、そのほぼ同じ時期に衆議院の海江田万里副議長が超党派の議員団を率いて訪中している。

またその一方で、中国の政府関係者も訪日している。中国外務省によると、馬朝旭外務次官補が7月22日から23日にかけて東京で、外務省の岡野正敬事務次官と2020年1月以来4年半ぶりの中日戦略対話を行い、さらに上川陽子外相と会談した。

中国の全国日本経済学会副会長で、上海対外経済貿易大学日本経済研究センターの陳子雷主任は、こうした日本政府の要人の相次ぐ訪中について「政府間のハイレベル相互訪問が実行段階に入った」と述べている。

陳主任は、中国訪問者の顔ぶれが与野党双方に及び、さらには官庁の要人など対象が広範囲になっていることについて、「政府内部の事情もあり、また外的な事情も存在している」と述べた。

陳主任は政府内部の面について、「中国をめぐる対応はこれまで様々な声が上がっていたが、今はこれらの要人が相次ぎ訪中するようになった。自民党や国会が駆け引きを経て中国戦略を見直し、過度な対応から前向きなものへと方向を改めたことの表れだ」と見ている。

陳主任はまた外的な事情について、9月に自民党総裁選挙が、11月にはアメリカ大統領選挙が行われることから、「選挙の前に中国との関係を改めて確認し、不確定要素を緩和しなければならない」と述べている。

なお政府関係者に先駆けて、経済界の団体が今年の初めに訪中している。訪中団の団長を務めた日中経済協会の進藤孝生会長はメディアに対し、「4年ぶりの中国訪問は成果も十分で、直接対話を通じて立場を確認した。これをきっかけに初心に戻り、今後の両国の経済交流を考えていく」と述べた。陳主任は、「日本の経済界はかねてから中国との関係改善を支持している」と述べている。

(中国経済新聞)