iPhone、中国でメーカー別販売台数が4年ぶりにベスト5を外れる

2024/07/31 07:30

市場調査会社のIDCは7月26日、中国でアップルのスマートフォン・iPhoneの出荷数量が3.1%ダウンし、メーカー別シェアがベスト5から外れたと発表した。またCanalysもこの前の日、iPhoneの第2四半期の出荷数ランキングが6位で市場シェアも2%減の14%となり、初めてベスト5を外れたと発表している。上位5社はVivo、OPPO、栄耀(Honor)、ファーウェイ、シャオミとなっている。

Canalysによると、中国でのiPhoneの出荷数量は、去年は1040万台であったが今年は970万台に減り、一方でファーウェイは、4月に発表したPura 70シリーズが好調で今年の出荷数は前年比41%増の1060万台となっている。

また、中国のスマホ市場は四半期統計で3期連続の増加となり、IDCによると第2四半期の出荷数量は8.9%増えて7160万台となっている。

Canalysのアナリストである鐘暁磊氏は、中国のスマホ市場について「国産メーカーが市場をリードする地位に立ち、初めて中国本土のメーカーが上位5位を独占した。IPhoneは思うように伸びず、チャネル管理の改善に取り組んでいる」と述べている。

アップルは今年、中国で、販売拡大に向けて値引き幅を一段と広げており、5月のキャンペーンではIPhoneの一部機種が2300元(約48906円)も値下げしている。

その一方で、新発売したクロスリアリティーのヘッドセット・Vision Proは、今年6月末に中国デビューしたものの売れ行きがあまり芳しくない。Vision Proは今もどこでも入手可能で、14日以内であれば返品OKとしている。ただしアプリの開発が進まず、iPhoneやiPadの発売当初と比べると対応可能なアプリの数がずっと少ない。アップルは最近、アメリカではVision Proの発売から5か月後に2000以上のアプリを開発したと表明したが、iPadは発売開始の数か月後に対応アプリが2万件に達していた。

アップルはVision Proについて、「数百万人の働き方や遊び方を変える」ことを願っているが、アナリストによると、その目標達成にはまだしばらく時間がかるという。調査会社のOmdiaはVision Proの発売台数について、今年はおよそ35万台、来年は75万台、2026年は170万台となると見ているが、、iPadは1年目に2000万台近く売れており、数字的に随分と開きがある。

またIDCによると、第1四半期のVision Proの出荷数量は競合社であるMeta Questのヘッドセットの半分に満たない10万台以下であった。ただしVision Proは高価なので、売上高を見ればVRゴーグル全体の50%以上を占めている。IDCアナリストのFrancisco Jeronimo氏は、「Vision Proがヒット商品となるかは、価格に関わらず、利用可能なコンテンツ次第である」と述べている。

(中国経済新聞)