LV、3年間で値上げ10回

2024/07/6 08:30

ファッションブランドのLVが中国で一部の商品を値上げした。ハンドバッグのCARRYALLは、スモールサイズがそれまでの2.06万元(約45.7万円)から2.18万元(約48.4万円)に、ミディアムが2.15万元(約47.7万円)から2.28万元(約50.6万円)に変わっている。LVは春節後にも値上げをしており、今年に入って2回目である。

LVの運営会社である世界最大のファッショングループ「LVMH」は、去年の業績の発表会で、LVの限定値上げについて、対象はレザー商品で世界各国の価格差を縮小することが狙いと述べた。インフレや為替変動もあって、今回の調整は一部の国のみ実施とのことである。

ブランド関連での値上げは、LVのほか、エルメスも今年初めに全商品の値上げに踏み切り、このうちMini Kelly1は1万元(約22万円)、率にして21.5%上がって56500元(125万円)となり、ハンドバッグのBirkin30は92750元(約206万円)から105000元(約233万円)に値上がりした。ローレックス(Rolex)も1月初めに全世界で値上げをし、ゴールドウォッチは6%-8%上がっている。また大手のシャネル(CHANEL)も値上げを繰り返し、全世界で値上げした2023年3月には定番の2.55折りたたみバッグが12.6%アップし、その半年後の9月には中国、タイ、日本、オーストラリアなどで6%~8%値上げしている。

これにより利益もかなり増えている。去年の業績を見れば、大手であるLVMHは売上高が前年比9%増の862億ユーロ(約15兆円)、純利益は8%増の152億ユーロ(約2.65兆円)で、ともに過去最高だった2022年をさらに更新している。

最近は各ブランド品メーカーの間で、コスト増や為替リスクへの対策として値上げに走る傾向が定着している。要客研究院によると、ここ3年間で大手ブランドのバッグの平均価格は32%以上値上がりしており、これにより利益が150%以上も増えている。

ブランド品業界に詳しい要客研究院の周婷院長は、高級ブランド品値上げの目的について、①価値を高めてイメージアップをはかり、ターゲットの消費者の購入意欲を湧かせ愛着を持たせる、②買いたいという気持ちにさせて販売促進につなげる、③大衆ブランドと価格差をつけて消費者をさらに絞り込む、④買い手が受け入れられる範囲内で売上高と利益を拡大する、との4点を挙げている。

(中国経済新聞)