アリババ傘下のゲーム会社「霊犀互娯」が組織替え 経営スタッフが全面的に若返り

2024/07/2 11:30

アリババ子会社でゲーム事業を担当する「霊犀互娯(Lingxi Games)」のトップに今年4月に就任した周炳枢氏は6月21日、社員全員にメールを送る形で、1990年前後生まれの主な幹部陣をマネジメントに当たらせる新しい組織構成を発表した。経営陣を完全に若返らせるものである。

新しい組織構成を見ると、スタジオやミドルプラットフォームで多くの新たな責任者が生まれている。このうち、陳摯氏が「平平務奇」スタジオの執行責任者となって開発事業やチームワークづくりをする周氏をサポートし、朱健氏は市場部門、昌国氏はアート部門、小火氏は事業ラインの責任者となる。また、新たな主要マネジメント委員にも多くの若いメンバーが顔をそろえた。

今回の組織替えは、35歳の周氏がプロデューサーを手掛けた人気ゲーム「三国志·戦略版」に起因したものである。新たな顔ぶれメンバーを見ると、「霊犀互娯」の開発部門の中心的存在である1989年生まれの陳氏は「三国志·戦略版」、「三国志·戦棋版」などの開発スタッフを長年マネジメントしているほか、今後も数種類の主力商品の開発をまとめる。さらに1991年生まれの朱氏は、リリースやプロデュース管理者としてカードゲーム「三国志幻想大陸」、「森之国度」などの海外リリースを手掛け、1985年以降の世代である小火氏は急成長している霊犀のbiubiu事業の責任者、同じく昌氏は「三国志幻想大陸」のアートマネージャーである。

2019年にリリースされた「三国志·戦略版」は「霊犀互娯」の貴重な収入源となり、業界内では同社の「大黒柱」と言われている。2023年にはSLG売上ランキングで中国トップ、世界2位となり、霊犀互娯は今年6月に全世界でユーザー数が1億人に達したと発表した。

ヒット作品を生み出した若手をマネジメント層に起用した背景として、高い商品力が求められている上、アリババ自体の若返り作戦が挙げられる。アリババグループの呉泳銘CEO は2023年9月、就任後初めての全社員あてのメールで、スタッフの若返りを実行する旨を表明していた。4年間で1985年~1990年世代をマネジメントの主力に据えて事業メンバーを刷新し、その後に「餓了么」「高徳」「盒馬」「淘天集団」なども経営陣の若返りを図るという。

(中国経済新聞)