去年、中国からドイツへの投資件数は2017年以降で最高 再生可能エネの伸び目立つ

2024/05/23 13:30

ドイツの貿易・投資振興機関(GTAI)が先ごろ発表した「外国企業によるドイツへの投資レポート」によると、2023年の投資額は2022年の約253億ユーロ(約4.28兆円)より37.5%増えて過去最高を塗り替える約348億ユーロ(5.89兆円)であった。このうち10億ユーロ(1691億円)以上の大型投資案件は8件で、これらの総額は280億ユーロであった。

投資案件数を国別に見ると、アメリカがトップで235件、スイスが2位で202件、中国が3位で200件、イギリスが4位で153件であった。

レポートによると、中国企業からドイツへの投資は大きく伸びており、案件数は前年比42%近い増加で、2017年以降で最高の数であった。中でも再生可能エネルギー関連が大幅に増え、全案件数の20.5%を占め、2022年の3倍以上となっている。

このほかの業種として、機械製造(14.5%)が前年比52%増、電子機器(11.5%)が同2倍増となっている。事業内容別ではマーケット・販売が最も多く45%を占め、生産・研究開発が22%、ヨーロッパ事業所設立が12%となっている。

このレポートを執筆したトーマス・ボツォヤン氏(Thomas Bozoyan)は、「中国企業の投資は様々な業種に及び、非常に広範囲であることが分かる。それに対してドイツも多様な業種で応えることができる。ドイツは今、2045年までの気候中立達成に向けて改革を進めているところだ」と強調している。

ドイツのショルツ首相はスウェーデンを訪れた際に、首相同士で「EUはアメリカに追随しないように」との警告を発し、中国と貿易をするメリットを強調した。また先ごろの上海訪問でも、中国車も念頭に入れてヨーロッパの自動車市場の開放を支持すると述べた。

ドイツはかねてから、自動車分野に関するEUの保護主義に反対している。2023年9月にEUが中国製EVに対する補助金の調査を始めた際に、「ヨーロッパの自動車産業にマイナスだ」と述べ、きっぱりと反対した。ドイツは今年に入り、ショルツ首相やバイエルン自由州のゼーダー州長など、政界の中国訪問が相次いでおり、中国との経済連携の強化を求めている。

ヨーロッパで「リスク除去」との声も聞かれる中、ドイツと中国との貿易は依然活発である。ドイツ経済研究所によると、2023年の対中直接投資額は前年比4.3%増の119億ユーロ(約2.01兆円)であり、海外への投資額全体に占める割合は2014年以来の高さとなる10.3%であった。ドイツの統計局によると、2023年の中国との貿易総額は2531億ユーロ(約42.8兆円)で、中国は8年連続で最大の貿易相手先となっている。

(中国経済新聞)