蔚来の電池交換パートナー、広州汽車が加わり計6社に

2024/05/16 20:30

中国の新興EVメーカー「蔚来」(NIO)はと広州汽車集団(以下「広汽集団」)は5月8日、広東省広州で、電池の規格を両者で一本化し、電池交換システムに適した乗用車や互換性のある交換ステーションを共同で開発することで合意したと発表した。共通規格のバッテリーパックを搭載した車種の発売や、両者の充電設備の共通化を目指すものである。

蔚来は電池交換について現在、長安自動車、吉利ホールディングス、江汽集団、奇瑞自動車、ロータスと提携しており、広汽集団が6社目の提携先となる。蔚来はこのほか、電池交換ネットワークの整備に向けて皖能集団、安徽省交控集団、南方電網などと提携合意をしている。

蔚来は現在、EV電池交換ステーションの運営については中国最大手であり、今年4月30日の時点で2411か所を構えている。今年も引き続き整備に取り組み、年間で1000か所を新設する予定である。ただし社長でCEOの李斌氏は以前に、「電池交換システムは専用部分と共有部分に分け、専用部分については自社の車を対象とし、共有部分はアルプスなど他の車種にも開放する」と述べている。今年は主に共有ステーションの建設に取り組む予定という。

現在の蔚来のステーションは、利用対象が自社の車に限定されており、流通台数自体が少ないので利益が出づらくなっている。

蔚来は以前に、「3世代にわたるステーションで1日の交換台数が60台になれば収支が拮抗する」と表明しており、現在は全ステーションのうちおよそ20%がこのレベルに達しているという。長安、吉利、奇瑞などが仲間に加わり、流通台数も増えていくことで、このシステムが一般用の公共設備となり、事業規模がさらに拡大する期待も持てる。

蔚来は電池交換技術の共有化について、自社ブランドの「楽道」や、吉利、長安などのパートナーに供与する800Vの超急速充電用のバッテリーパックを打ち出す。李氏は、「提携先メーカーはこのパックに合わせて車両を開発するだろうが、シャーシを改良しなくてはならず、開発費用はさほどでもないがある程度時間がかかる」と述べている。

(中国経済新聞)