零跑汽車(LEAPMOTOR)、去年は赤字額が884億円に削減

2024/03/29 20:00

中国の新興EV(電気自動車)メーカーである浙江省の「零跑科技」(LEAPMOTOR、以下「零跑汽車」)が2023年の決算を発表した。売上高は2022年より35.2%増えて167.47億元(約3513億円)、さらに赤字額が前年の51.09億元(約1072億円)から42.16億元(約884億円)に減った。また、年間の粗利率は0.5%で、前年の-15.4%から大きく好転して初めてのプラスになった。キャッシュフローも同じく初のプラスとなり、前年より34.81億元(約730億円)増えて10.82億元(約2269億円)であった。

こうした成果は、製品構成の改善やコストダウン・効率アップの効果、さらに自社技術によるコストダウンによるものである。導入している「全域自社開発」との策がコスト減に大きく貢献しており、特に車1台に要する物品のおおむね約60%を占める「三電システム」(電池、モーター、電気制御システム、スマートシート、スマート運転など)の自社開発や製造が奏功している。

また、2023年の零跑汽車の研究開発費は前年比36.1%増の19.2億元(約403億円)で、技術革新に引き続きお金をかけている姿が見える。決算報告の電話会議で、幹部陣は「引き続きマーケットの軸である10万元~30万元(約200万~600万円)の車に焦点を当て、全域自社開発のコストメリットを生かし、コスパを求める」と強調している。

零跑汽車はまた、世界第4位の自動車メーカーであるStellantisとの提携を深めている。Stellantisは2023年、約15億ユーロ(約2464億円)で零跑汽車の株式約20%分を手に入れて同社の主要株主となり、取締役会で2人分の席を獲得した。これにより零跑は、資金やリソース面のサポートを受けた上、2024年には資産をスリム化した形で海外に新エネ車を打ち出せることになりそうである。

零跑汽車は決算報告で、Stellantisとともに合弁会社「零跑国際」を設立して、Stellantisの製造力や販売網を生かして事業を世界に拡大すると示した。さらには、世界のサプライチェーン体系にさらに足を踏み入れるため、他のメーカーと協力して「三電」のコア部品の外販を模索するという。

零跑の幹部は電話会議で、「中国は競争が激しいので海外進出が極めて重要だ」と述べた。中国と海外ではニーズがまるで異なるが、自動車メーカーは世界的な産業であり、生き残るには世界展開が必須となる。零跑は国内外の市場の両方にスポットを当てるという。

また販売面では、2023年の新車引き渡し台数は前年比29.7%増の14.42万台で、2024年の1月~2月の合計台数は1.88万台となっている。

(中国経済新聞)