イタリア競争監視当局は現地時間3月14日、ショートビデオアプリのTikTokに対し、未成年者を保護する措置を取らなかったとして、1000万ユーロ(16.2億円)の制裁金を科すと発表した。
当局側は、「TikTokは未成年者や社会的弱者に有害となるものなど、コンテンツに対して適切な監視体制を講じなかった」との声明を出した。制裁金はバイトダンスの傘下であるTikTokのアイルランド、イギリス、イタリアの現地法人それぞれ1社を対象としている。
イタリア政府は、自分の顔を腫れるまで力いっぱいつねる「フレンチ・スカー・チャレンジ」と呼ばれる行為が若者たちの間で流行し、社会的な不安を招いていると指摘した。
これに対してTikTokは、「この(罰則)決定は受け入れられない」と答えた上、「フレンチ・スカー・チャレンジ」は18歳以下のユーザーが見られないような措置をすでに講じていると釈明している。
アメリカでは3月13日、議会がTikTokとその親会社であるバイトダンスが関係を断ち切るよう求め、これに従わない場合は全米でTikTokの配信を禁止するとの法案が下院で可決されている。
これらの問題について、中国外務省の汪文斌報道官は、「今回の法案は、アメリカを公平な競争の原則と国際貿易ルールという相反した場に立たせるものだ。いわゆる『国家安全』 との理由で外国の優秀な企業をみだりに締め付けるのは、まるで公平や正義とは言えない。いいものを見つけたら策を講じて奪い取る、これは完全に強盗の論理だ」と述べている。
(中国経済新聞)