中国で、ファーウェイの新型機種「Mate 60」シリーズが好調に売れ続けているため、これまで供給がままならなかったKirinを製造する同社子会社のハイシリコンが「立ち直り」の好機を迎えた。
研究機関Canalysの最新データによると、2023年第4四半期、ハイシリコンはプロセッサーの出荷数量は680万個で、2022年同期比で50倍以上の増加であり、5121%に達している。売上高は70億ドルで24471%の増加である。
また一方、スマホの出荷数から換算して、スマホ用半導体の上位3社であるメディアテック、アップル、クアルコムの出荷数は順に前年同期21%、7%、1%の増加であった。
Canalysにはコメントがなく画像のみ掲載となっているが、この数字は中国の半導体が「溜飲を下げる」結果である。ある投資家はSNSで、「中国産の半導体が本格普及する重要なシグナルで、ゼロの突破を果たした」と表明している。
この一方で、アメリカ政府がTSMC、サムスン、インテルに対し150億ドル以上の補助金を与えたほか、TSMCは86億ドルをかけて日本に二つ目の工場を建設し、さらにアメリカ商務省レモンド長官(Gina Raimondo)が規制策の見直しを始めた。
レモンド長官は先ごろフィリピンで行った演説で、「中国に先端半導体や製造設備を取られないように、輸出規制を拡大する必要性をしきりに検討している」と公言した。
「技術の変化がいつになく早まっているため、毎朝起きる都度、『取り組みは十分なのか』と自分に聞かなければならなくなっている」レモンド長官はこのように述べ、アメリカとしてあらゆる犠牲をしてでも(ハイテク品輸出の)制限を拡大し自国を守るとのことである。
しかしファーウェイは、半導体の開発を加速している。同社ホームページや鳳凰網などによると、次世代のフラッグシップスマホに搭載するプロセッサーKirin9010では3nmプロセスを導入する方向であり、すでにデザインを終え、早ければ年内に出荷するという。
(中国経済新聞)