旧暦の正月である春節の連休が明けた中国で、BYDがまず各車種の値下げを発表し、これに続いて各メーカーも次々と値引きに走り出している。
BYDの公式ブログによると、王朝シリーズである「秦PLUS栄耀版」を希望価格7.98万元(約166.4万円)で発売開始した。タイプ別に、「DM-i」が7.98万元~12.58万元(約166.4万円~262万円)で、EV版が10.98万元~13.98万元(約229万円~291.5万円)となっている。前者は同タイプ初の7万元台(約146万円)、また後者もEV初の10万元(約208.5万円)台であり、BYDは「ガソリン車より安い」とPRしている。
これを受けて、五菱汽車、長安啓源、哪吒汽車などが続々と値下げに踏み切った。五菱は、航続距離の長いPHEVの「星光150進階版栄耀」を、従来の10.58万元(約220.6万円)から6000元下げ、同クラスで初めて10万元を切る9.98万元(約208.1万円)に改定した。また長安啓源はQ05、A05の両タイプをともに最低価格7.39万元(約154.1万円)とした。さらに哪吒汽車は、主力である「X」の全シリーズを2.2万元(約46万円)、「AYA」全シリーズを8000元(約16.7万円)、「S」全シリーズを5000元(約10.4万円)それぞれ値下げすると発表した。哪吒はまた、2024年3月31日まで、「S」「GT」の購入者に対し、2年以内に哪吒のいずれかの車種に買い替えた場合に値段を新車の7掛けとするキャンペーンを実行している。
中国乗用車連合会の崔東樹事務局長によると、2023年の中国の新エネ車乗用車の販売台数は888万台であり、今後数年間は急成長が続くと見られる中で2024年は新エネ車各メーカーが足場を固める重要な年で激しい競争を展開するという。また、新エネ車がコストを削減し「ガソリン車並みの値段」となることで、ガソリン車メーカーが厳しい立場に置かれる。世代交代が遅い上に機能的にもさほどの魅力がないガソリン車は、安い値段で勝負するほかない。一方で新エネ車は、炭酸リチウムの値下がりで電池のコストが下がり、製造費用が低減している上、急速な普及により市場が安定化して一段と利益が出やすい状態になっている。
(中国経済新聞)